中村扇雀の公式ブログ

2013年10月記事一覧

「伊勢神宮」

2013年10月30日

10月公演に先立ち遷宮で賑わう伊勢神宮に参拝してきました。
9月30日に行ってきましたので遷宮直前の緊張感が漂っていた様な気がします。

20年ごとに遷宮を1300年前からしている理由を知り、伝統を守っていく方法はかくあるべきと納得しました。

20年間で進歩した技術を使って神様にその技術を使って建てた宮に移って頂く事。職人を育てる事。20歳40歳60歳でそれぞれの役割がありとも仕事をすることによつて技術を継承していく。新しい木を確実に育てて自然を大事にする事。等々そこには歌舞伎に共通することがいくつもあり心引き締まる思いでした。

日本人のルーツとも言うべき神を祀った歴史的建造物が、20年ごとに産声を上げる事こそ伝統の継承の真の姿なのでしょう。
数時間の滞在でしたが、感動を覚えました。この先何年舞台に立てるか判りませんが先人の残した文化を次に伝える宿命を感じました。

これまでに多くの神社仏閣に足を運びましたが、年齢や経験でその時々に思うことは変わって行くのは当然ですが、今回は人生の中で最も感謝や慶びを体の内から感じた参詣でした。

外宮の入り口
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新旧の外宮
右の手前から左の奥へと遷宮されます。
渡り廊下のような新品の屋根のしたをお通りになります。
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外宮の前の亀石。亀蔵さんをつい思い出して写真に。
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外宮のの別宮・多賀宮に登る階段で年配の職人さんが若い職人さんに技術の継承をしている姿です。
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その多賀宮も遷宮で新旧が左右に並んでいる姿は今だけ見られる姿です。
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そして内宮へ
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内宮へ五十鈴川を渡る橋・右側通行
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この鳥居をくぐると奥が内宮
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招待客の座られる場所が設置してあります。
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この屋根の下を奥から手前へと引っ越しされます。
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そしてこの真新しい門をくぐって新居に移られます。
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屋根が少し見えました。
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内宮の別宮・荒祭宮も左右に心境の宮が並び遷宮を待ちます。
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内宮参詣の帰りに欠かせないおかげ横丁。賑わっていました。
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何だか風景の羅列ですいません。
しかし、素晴らしい一日になりました。

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「新しい財産」

2013年10月30日

「今月は財産が増えましたね」
という言葉で「西郷と豚姫」の"豚姫"こと"お玉"の役を評して下さった方がいました。
私に取りましては最も嬉しい表現の1つです。

役者にとって財産になったということは成果が認められたということですので、嬉しいの一言です。

この役はこれまでに延若さん、17代目勘三郎さん、祖父の2代目鴈治郎、先代富十郎さん、そして昨年亡くなった哲明(のりあき)さん(18代勘三郎さん)などが勤めてらっしゃいます。

今回特にリアリティということに焦点を合わせて役作りをしました。
この作品は昭和の歌舞伎ですので、新歌舞伎のジャンルで現代劇に近い感覚で上演されてもいいと思っています。

頭痛で悩んでいる"お玉"がまず薬を飲むところから始まりますが、初日から数日経ってふと苦い薬を飲んだら直ぐに口直しをしたいのではないか、太っている方ってよく何か食べているイメージが有り、火鉢の周りにはいつもお菓子があっていいのではと思いつき、薬を飲んだ直後に饅頭を食べる芝居を増やしました。小道具さんに菓子を入れるものと饅頭を用意してもらい、台詞を言いながら食べることにしました。直ぐに飲み込めるマシュマロも用意してもらい、こちらも時には口にして"お玉"になってみました。台詞に"お玉"はお酒が全く飲めないと言っているので、甘い物には目がないんだと思います。先人で饅頭を食べながら勤めた方は恐らくいらっしゃらないんだと思いますが、今後再演の機会があればこれは続けたいと思っています。

次に厄介なのが京都弁です。舞台は祇園町ですのでやはり言葉は土地の言葉で話さなくてはならないので東京生まれ東京育ちの私はここが問題です。しかし、毎年京都の顔見世に通い、また2代目鴈治郎夫人即ち祖母は祇園町の舞妓ちゃんでしたので、身近に祇園の言葉には接していまいたので何とか"不自然"と言われない程度にはこなせた自信があります。

そして、片思いの西郷さんに心情を吐露する台詞でリアリティというところに重点をおいて毎日勤めていました。台詞の音のボリュームや間合い、話しているうちにどんどん思いがでてしまうしゃべり方。毎日工夫はしていても微妙に変わっています。西郷さんの彌十郎さんがおにぎりを食べる時に最初は正座されていたので、あぐらをかいてもらうように変えてもらいました。くつろいでいる時の距離感が欲しかったからです。
台本に西郷さんを"大夫(だいぶ)はん"と呼んでいる箇所が多々あります。
稽古から台本どおりやっていたのですが、初日が開いてからお客様との距離感に違和感を覚え、"あんさん"とか"西郷はん"に変えて"大夫(だいぶ)はん"の使用を止めました。
この言葉は偉い人の役職を指しているのだと思いますがお客様に音で"だいぶはん"と言っていても西郷さんの事を指していることが伝わっていない感じがしたので変えてしまいました。原作者の池田大伍さんには怒られるかもしれませんがお客様本位で変えてしましました。お許し下さい。
この1ヶ月の公演を経て"お玉"という人が愛らしくもあり大好きになりました。

白鸚の伯父さんと祖父2代目鴈治郎の「西郷と豚姫」の音声だけ残っていて何度も繰り返し聴いていたのですが、舞台が目に浮かび素晴らしいものです。ただ、台詞の無いところでお客様の笑いが起こっいて、祖父が面白いことをしているのでしょうが、それが観られないのが何とも残念です。

いつかは白鸚の伯父さんの孫である染五郎さんと孫どおしで上演してみたいものです。

この着肉を付けて太らせます。

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この衣装は皆さんが続けてきている衣裳なのですが、次回はもっと膨張色を着てみようかなどと考えています。

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「錦秋名古屋顔見世千穐楽」

2013年10月30日

10月27日㈰千穐楽を向かえました。
劇場に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。

御園座建替え中の為、初めて市民会館での1ヶ月公演となりましたが色々改善点はあるにせよ皆様の協力により、名古屋での歌舞伎公演が続いたことに意義があったと思っています。

劇場は市民会館と言えど、本花道がつき回り舞台もあり歌舞伎を通常どおり上演するには特に問題もなく、公共の劇場としては最適な小屋だと思います。築年が経っている為に椅子が歌舞伎の約4時間という上演時間にはおしりが痛くなるとおっしゃった方も少なくありません。また、トイレが和式しか無いのもご不便をかけたようです。申し訳ございません。

劇場が表通りから少し奥まっているので公演をしていることがわかりづらい事や、折角掲げた"まねき"も目立たなかったり、のぼりを一本も市民会館からの許可が得られずに立てられなかったこと等御園座での顔見世に比べると、同じ観劇料を頂いている事を考えると、お客様に楽しんで頂くのにご不満な点があったことは否めません。

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来年以降も新装開場迄はこちらの劇場での公演が続くと伺っているので、名古屋は親しい友人も多いので、今後名古屋での歌舞伎の発展の為に微力ながら頑張っていきたいと思っています。

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