中村扇雀の公式ブログ

2013年2月記事一覧

「本日博多座千穐楽」

2013年2月26日

昨年2月に始まった六代目中村勘九郎襲名興行も本日をもって大千穐楽となりました。

勘三郎のお兄さんのご逝去という最大の試練を乗り越えて今日を迎えました。

全国各地での襲名披露興行全てに出演さて頂き浅からぬ縁を感じています。

胸に去来することは多々有りますが、今は今日という日迎えたこを次のスタートにしたいとだけ申します。

ご来場下さった皆様心より感謝申し上げます。

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「博多座パンフレット」

2013年2月19日

六代目中村勘九郎襲名披露の最終公演となった今月の博多座公演。

舞台写真掲載のパンフレットが出ましたのでお知らせします。

今月も私のサインをしてパンフレットを販売させて頂きます。
締め切りは26日千穐楽とさせて頂きます。

2013年02月19日12時31分28秒.pdf000.jpg


一部¥2,500(送料・消費税込み)

ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。

ご応募お待ちしています。

suzumenokai@senjaku.com

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「和康君おめでとう!」

2013年2月17日

和康(かずやす)君(菊之助さんの本名と吉右衛門のお兄さんのお嬢さん瓔子(ようこ)さん婚約が発表されました。
何となく噂は耳にしていましたが、このタイミングだとは思わず驚いたのは事実です。
瓔子さんはお兄さんの4人いらっしゃるお嬢様の中では一番芸事がお好きなようで、藤間宗家にお稽古に見えていたり楽屋にもお母様と一緒によく見えていましたので、彼にとって最高の伴侶なのではないでしょうか。

和康君とは去年11月の新橋演舞場の時に同じ楽屋に入っていたのですが、その時は勘三郎のお兄さんの病気の事で僕自身も重い気持ちになっていて、彼も病院のお兄さんの姿を見てショックを受けていたので、全くそんな話は出ませんでした。

しかし、今の歌舞伎界を覆っている暗い空気をいっきに吹き飛ばす明るい話題で嬉しい限りです。音羽屋と播磨屋の婚姻は歌舞伎界にとっても絆を深める最高の慶事ですので、新歌舞伎座に開場を明るい気持ちで迎えたいと思っています。

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「「丹波少将成経」」

2013年2月14日

たんばのしょうしょうなりつね

と読みます。
今月博多座夜の部の「俊寛」で私が演じている役名です。
この演目には今まで
丹左衛門尉基康
海女千鳥
判官康頼
の三役を勤めていますが今回の丹波少将成経は初役です。
ただ多くこの演目に出演しているので自分の感覚の中ではすでに演じていたような気持ちになっていましたが、完全な勘違いでした。
以前出演した俊寛では亡くなった勘三郎のお兄さん富十郎のお兄さんが勤めていらっしゃいました。

今回は仁左衛門のお兄さんの俊寛で、この演目でご一緒するのは初めてです。

まず稽古に入る準備段階として義太夫の演目ですのでいつものとおり文楽の勉強からです。
今回は越路大夫のお師匠さんの音源を勉強致しました。
文楽からは自分の勤める役の人物像と発音と作品全体の空気感等を勉強しています。

歌舞伎はその演目の主役を勤める俳優が演出家の役割を勤めますので、今回は仁左衛門のお兄さんがその立場です。


今回の舞台写真です。
                                    写真:博多座


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今回の舞台では、仁左衛門のお兄さんは役の気持ちを大切にということを特に大事にしてらっしゃいます。

同じ演目でも演じる方によって作品が変わってくるのが歌舞伎の醍醐味というか面白さだと思います。

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勘三郎のお兄さんが演じる時は幕が開くと磯の香りが舞台全体にひろがるのですが、その方法は企業秘密かも知れませんので公開は控えます。

この作品は父の坂田藤十郎がライフワークにしている近松門左衛門の作品ですので、私も遠くない将来に俊寛は演じてみたいと思っています。
エッと思われるかもしれませんが、俊寛の実年齢を私はとっくに過ぎているので、おかしくはないのです。
俊寛は島流しでやつれていますが、年寄りではないんですよ。

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「5日」

2013年2月11日

2月5日

哲明(のりあき)さんが亡くなり2ヶ月が経ちました。

まだまだ実感は湧きませんが毎月お兄さんを回顧して行きたいと思っています。

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昨年5月平成中村座千穐楽のカーテンコールの哲明さんです。
友人で俳優の岸田タツヤ君が撮ってくれました。

皆さんはどう感じられるでしょう。

あまりにも寂しそうなこの目は半年後のお兄さんを暗示しているようで、今となっては中村座の千穐楽を寂しがっているより、結果役者人生最後の舞台となることを自身で感じていたかのような表情で複雑です。

初役の辰五郎は前の病気の時から台詞が覚えにくくなっていることを気にしていたので、いつに無く台詞に慎重でした。私も初役でしたので集中力と緊張は今まで以上の稽古場でした。しかし、稽古の初日に「浩(ひろ)ちゃん(私の本名)、それでいいよ」と声をかけて頂き肩の力が抜け役に入っていけたんです。ダメ出しは厳しかったお兄さんですが、良かった時に自信が付く一言を言って下さるんです。
しかし初日が開くといつも以上の緊張感でこの千穐楽は私も感無量でした。

この演目を観て頂いた皆さんは改めてこの写真から舞台を思い出して下さい。

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「何という事でしょう・・・」

2013年2月11日

昨年の12月5日の哲明さん(のりあきさん勘三郎さんの本名)の悲報に続き

2月3日未明に夏雄兄さん(團十郎にいさんの本名)の訃報が入りました。

昨年12月の京都南座顔見世興行で「船弁慶」で共演していたばかりです。
12月休演なさる前日までお元気でいらしたので、全く理解出来ませんでした。
哲明さんも最後の演目「め組の喧嘩」でも共演していたので、お二人のその姿が目に焼き付いています。

4月の歌舞伎座の開場のいの一番に共演できることを父も楽しみにしていました。
父は3月は休暇を取りまさに3日の夜の便でハワイに発ち雲の上にいる時に夏雄兄さんは逝かれてしまいました。ホノルルに着いた直後に飛行場で訃報を知り本当に驚きまた残念がっていました。

私は歌舞伎十八番の立役をする機会はほとんどありませんが、二十代の時に巡業で夏雄兄さんの勘平でお軽を勤めさせて頂き、1ヶ月旅をした時にバス移動が多く毎日大人の修学旅行のようでお兄さんのすばらしい人柄に触れ、大好きになりました。

父は團十郎と藤十郎が同じ舞台にたったのは歴史上夏雄さんと自分だけだということが誇りで、夏雄兄さんとの共演にこだわっていたので一回り以上年下の夏雄兄さんの逝去にはショックが大きいようです。

哲明さんに続き夏雄兄さんと何という事でしょう。

今は言葉がありませんがこの先は責任と自覚を持つことが要求されてくると思っています。


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「「吹雪峠」」

2013年2月11日

2月博多座公演
昼の部の私の出演演目は序幕演目「吹雪峠」
助蔵という役です。

この演目は新歌舞伎というジャンルで呼ばれる昭和の歌舞伎です。
宇野信夫という方の作品でこの方は祖父と父の当たり狂言だった「曾根崎心中」を改訂して世に出した方です。
私が曾根崎心中のお初を初演した時にはまだご健在で演出も手がけていらっしゃいました。

この作品には初めての出演ですので、脚本を何度も繰り返し読み込み役のイメージを作っていきます。

35分の作品で出演は3人のみのセリフ劇です。
男2名女1名の三角関係を吹雪の中の山小屋というある意味閉ざされた中での心理劇です。
今回は演出家なしで梅玉のお兄さんと孝太郎さんと三人で作っていきます。

幕開きに二丁木(にちょうぎ)といって拍子木を二回打って静かに幕が開き舞台は猛吹雪の中に山小屋が見えています。
今回はその二丁木(にちょうぎ)を5日目から止めました。静かに吹雪の世界にお客様をいざないたかったからです。初演ですので初日が開いてからも色々と変更をしていく場合があります。そうして作品が出来ていくのです。


元ヤクザで兄貴の奥さんに手を出し2人で逃げて暮らしている時に偶然避難した山小屋にその兄貴が入ってきてしまうという状況です。

ストーリーはここまでにいたしますが、歌舞伎作品ですので新劇とは違うのでリアルな会話の中にも歌舞伎らしさを出さなくてはいけません。
しかし、リアルな演じ方がベースになってきます。

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普段の女方の演技と全く違った面をお見せ出来ると思いますので、是非劇場に足をお運び下さい。

お待ちしています。


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「博多座公演」

2013年2月11日

2月博多座公演が幕を開けました。

昨年2月の新橋演舞場から始まった六代目中村勘九郎襲名披露の最終公演です。
この一年間すべての襲名披露興行に出演することになりました。

勘三郎のお兄さんが昨年12月5日に亡くなり中村屋一門の新たなスタートです。

微力ながら公演を盛り立てたいと思っています。

立派な構えです。

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豪華なアプローチ

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劇場でお待ちしています。

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