中村扇雀の公式ブログ

2014年10月記事一覧

「竹本住大夫師匠文化勲章ご受賞」

2014年10月26日

竹本住大夫師匠が今年の文化勲章受賞されることが発表されました。
舞台は引退されていますがお師匠さんの存在が今の文楽の支えになっていると思います。
私もかつてお稽古をして頂いたことが少しでも舞台上で表現できるように努力していこうと思っています。
本当におめでとうございます。

この記事のURLコメント(2)トラックバック(0)

「千穐楽を迎えました。」

2014年10月26日

10月十七世 中村勘三郎二十七回忌・十八世 中村勘三郎三回忌追善公演の千穐楽を迎え無事に大入りの中公演が終了しました。

IMG_20141026_0001.jpg

ご来場下さったすべてのお客様に御礼申し上げます。
勘九郎さんと七之助さん2人の兄弟の活躍で大盛況の中千穐楽を迎えられ私も心から喜んでいます。昨日の「鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)」の幕切れのお客様の盛大な拍手は泉下の哲明さんに届いたと思います。私も趣の違う3役を努め公演に参加できたことで少しは恩返しができたのではと思っています。

「近江のお兼」の馬を努めてくれた坂東八大(やひろ)さんと大和(やまと)さんとそしてカラミの若い者の中村いてうさんと千穐楽終演後楽屋にて記念撮影しました。

IMG_0039.jpg

左から八大さん・私・大和さんです。
八大さんが前足、大和さんが後足です。

IMG_0040.jpg

カラミの若い者の中村いてうさんです。衣裳は中村屋の中村格子です。
通常は"お兼"を務める役者ゆかりの浴衣を着るのですが、今回は中村屋の追善ですので中村格子を着てもらいました。

皆さんのお陰で舞台を盛り上がり本当にありがとうございました。


この記事のURLコメント(10)トラックバック(0)

「本日発売」

2014年10月21日

本日発売の週刊女性自身に、先日虎之介と行ったディズニーランドの記事が掲載されてますのでご覧下さい。

この記事のURLコメント(4)トラックバック(0)

「舞台写真掲載パンフレット」

2014年10月20日

今月の舞台写真掲載のパンフレットが販売開始となりました。
私がお名前を書いてサインをしたものをご希望の方に販売いたします。

今月の表紙は私も面識があり大ファンの森田りえ子さんの「秋華」という素晴らしい菊の絵です。

一部¥1,400(送料・消費税込み)

ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。

ご応募お待ちしています。
締め切りは25日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます

suzumenokai@senjaku.com


IMG_20141020_0001.jpgIMG_20141020_0002.jpg

この記事のURLコメント(2)トラックバック(0)

「ジャイアンツ」

2014年10月19日

スポーツはするのも好きですが観る方も大好きです。
プロ野球に関しては東京生まれ東京育ちということもありプロ野球を見だしてから一貫して巨人軍ファンです。チケットが入手できて時間があれば東京ドームに足を運んでいます。
昨日今年のジャイアンツの全公式戦が終了しました。
予想もしなかった阪神に4連敗となり日本一は今年もお預け。
ジャイアンツの皆さん非常に残念でしたがお疲れ様でした。
心身ともに休養して来シーズンこそ日本一奪還を目指して下さい!
今月の歌舞伎座の楽屋は仁左衛門のお兄さん秀太郎のお兄さん始めタイガースファンやアンチ巨人も多く、私のジャイアンツファンは周知ですので今日の楽屋は肩身の狭い思いで過ごさなくてはなりません。
ですから今日は気を変えてゴルフ日本オープンで2位につけている片山晋呉選手の応援にまわります。友達の紹介で何度か酒席をともにして去年の名古屋での優勝の時も僕の名古屋公演と重なりお祝いしたので、是非1年ぶりの優勝を祈っています!

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

「演出家 奈河 彰輔さんご逝去」

2014年10月18日

松竹の顧問でありご本名を中川芳三さんとおっしゃる奈河 彰輔(なかわしょうすけ)さんがお亡くなりになりました。
昨年10月の「西郷と豚姫」でご一緒しました演出家としてもしかしたら最期のお仕事だったかもしれません。
父と同世代で上方歌舞伎に精通してらして、時には亡くなった名優の声色まで交え色々な事を教えて下さり、演出家・脚本家というより本当に歌舞伎を愛してらしたファン当印象が強う方でした。
役者さんに演出する時も客席のお客様にどう役の気持ちをどう伝えるか伝わるかをしつこく教えて下さいました。
特に河内屋さん(實川延若)のお芝居を世に残したい気持ちがお強く「小笠原騒動」を上演のおりには多くの過去の記憶を伝えて下さり感謝しています。
昨年の演出のおりには私の演じる「西郷と豚姫」の"お玉"を喜んで下さり、次にこんな演目をあなた是非演ったらどうですかと勧められた「戀音三拍子(こいのおとずれとんとんとん)」という演目のコビーが手元にあります。

IMG_20141018_0001.jpg

是非近いうちに上演できたらと願っています。
まだまだ教えていただきたいことは山ほどありましたが、今は安らかにおやすみ下さい。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

この記事のURLコメント(2)トラックバック(0)

「「野崎村」久松・「寺子屋」園生の前」

2014年10月18日

今月の舞台写真です。

昨年の8月に引き続いての久松ですが、相手役のお染が七之助さんから児太郎さんに変わり一段と若返りました。彼は初役ですので色々とアドバイスをしながら舞台に立っています。
もうそういう立場になったのだなと年齢を痛感していますが、恋人役ですのでその歳の差が出ないように気をつけています。

IMG_20141009_0050.jpg

IMG_20141009_0057.jpg

「寺子屋」の"園生の前"は約1時間20分の演目の最期の10分程の出演ですが、緊張する役どころです。自分の子供を犠牲にして迄主君の子供を助けた夫婦に合うわけですから、その精神状態を創り上げるのは非常に難しいものです。
台詞は一言ですがそこ迄の舞台の緊張感を持続させ幕切れに繋げていかなくてはならない役どころです。
初日には舞台上で焼香をする時に、お兄さんが最期に務めた"松王丸"の時に"千代"を務めていたので、亡き勘三郎のお兄さんの顔がどうしても浮かんでしまいつらい幕切れとなってしまいました。
お客様の多くの方もそうであったのでは思い今更ながら悔しい思いでいっぱいです。
IMG_20141009_0065.jpg

写真提供:歌舞伎座

この記事のURLコメント(0)トラックバック(0)

「「近江のお兼」の舞台」

2014年10月 5日

今月の「近江のお兼」の舞台写真の抜粋です。

この衣装が以前に触れた"十六むさし"です。
ブログ「残り3日間となりました」の写真と比べると違いが分かると思います。

馬が活躍する舞踊ですが、馬は三津五郎兄さんの一門の坂東八大さんと坂東大和さん 努めてくれていますので安心です。
その師匠の寿(ひさし)兄さん(三津五郎さんの本名)が初日の舞台を見て下さり楽屋に入って来て下さいました。一箇所ダメ出しをして下さいましたが、「良かったよ」と声を掛けて下さり少しホッとしています。勿論合格や満点がないのが藝の世界ですので、満足したり安心してはいけないのですが、自信に繋がることは間違いありません。

またカラミ(立回りで僕に掛かってくれる役者さん)に中村いてうさんと坂東彌風さんの2人が出てくれていますが二人共しっかりしていて安心して努められ感謝しています。

IMG_20141009_0073.jpg

IMG_20141009_0010.jpg

IMG_20141009_0103.jpg

IMG_20141009_0100.jpg
IMG_20141009_0009.jpg

IMG_20141009_0043.jpg

IMG_20141009_0032.jpg

IMG_20141009_0087.jpg

この晒の長さですが、13尺14尺15尺の三種類を藤浪小道具さんが用意してくれました。
私は13尺の物を今回使用しています。幕切れだけ15尺に持ち替えています。

IMG_20141009_0082.jpg

IMG_20141009_0077.jpg

写真提供:歌舞伎座


初役で務めていますので晒の使い方や捌き方等は日々発見の連続です。

この記事のURLコメント(12)トラックバック(0)

「追善興行」

2014年10月 5日

今月の歌舞伎座は十七代・十八代中村勘三郎追善興行です。

勘三郎のお兄さんが亡くなってはや二年となり三回忌追善興行の初日が開きました。
お兄さんはこの新しい歌舞伎座で先代の追善興行をと願っていました。
しかし、その興行がご本人の追善興行になるとは誰が思っていたでしょう。

歌舞伎座の私の楽屋の床の間に閑万紀子先生の「拍手」という書を掛けました。

お兄さんはお客様の「拍手」を何よりも感謝し、その舞台にすべてを懸けていました。
決して媚びることなく、お兄さんへの拍手はお客様の魂の拍手だったと思います。
一緒に舞台に立っていて、野田歌舞伎の初日に歌舞伎座総立ちのスタンディングオベーションの拍手やニューヨーク初日の小屋が揺れるほどの拍手と足を踏み鳴らす音。コクーンの舞台上に作ったプールの蓋が抜けそうになった程お客様が舞台まで来られての万雷の拍手。
病気回復後の松本での拍手に涙していたお兄さんの横顔。
まだまだ数多くの本当に多くのシーンが蘇ります。

床の間写真は、最初のニューヨーク公演でニューヨーク・タイムスの劇評でスパイダーマンより中村座を観に行けと賛辞を送られ、ニューヨークの街角でスパイダーマンを見つけ勝利のポーズと最期の平成中村座千穐楽カーテンコールの2枚です。

楽屋拍手.jpg

月命日の今日5日の日に昼の部「近江のお兼」出演後に西徳寺のお兄さんに会いに行ったところ銀杏の葉っぱがお兄さんの目の前に落ちいたので、持って帰り写真の前に置いてあります。

楽屋床の間.jpg

今日は雨のきつい日で、その雨音で周囲の音が何も聞こえず静かにお兄さんの前で過ごすことができました。
歌舞伎座の舞台で「近江のお兼」を踊らして頂いているのはお兄さんのお陰と思っていますが、そこに観てもらいたいお兄さんが居ないという複雑な心境です。

初日の寺子屋のお焼香の場面では不覚にもお兄さんのことばかり脳裏に浮かんでしまいました。「役に集中しろ!」と怒っていることでしょう。

西徳寺1.jpg

こちらにいけばお兄さんに逢えますが舞台上では会えないことが逆に舞台へ立つ私自身の原動力になっているのではと感じています。

この記事のURLコメント(6)トラックバック(0)