中村扇雀の公式ブログ

2014年11月記事一覧

「今更ながらiPhone」

2014年11月23日

私はガラケー派でしたが、家族の中で1人取り残されついに決心しました。
パソコンがMacですので勿論iPhoneです。
アドレスを変えるのがいやで、繋がりやすさや料金は考えずドコモショップへ直行しiPhone6を手に取りました。
店に行く2日前に幸ちゃん(橋之助さん)からiPhone6Plusを見せられ、いかにも大きく使いにくそうでこれは駄目だなと思い店ではiPhone6を出してもらいました。
確かに手に馴染みがよくついにこの日がと思っているうち、スマホに変えるのはある意味PC使いになるのではとふと思い、それなら画面が大きい方に軍配が上がるのではと不安になってきて、店員さんに「まだ間に合いますか?iPhone6Plusを見せて頂けますか?」と尋ねると「大丈夫ですよ」と明るく答えて下さり、直ぐに持ってきてくれたのです。
まだ老眼になっていないのですが、持った瞬間「大きいのにすれば良かった」と後々後悔することに気付き「すいません、こちらに変えられますか」と恐る恐る尋ねると「大丈夫ですよ」とまたも笑顔の返答。書類が進んでいたにも関わらずiPhone6Plusに変更。

最後に「本当にこちらで宜しいですか」と尋ねられ自信を持って「ハイ」と答え購入。

何か時代に追いついた感じ。
今更ながら・・。

iPhone6PlusGOLD64GBです。

iPhone.jpg

この記事のURLコメント(2)トラックバック(0)

「2度目の「藤十郎の恋」」

2014年11月23日

来月の顔見世で2度目の「藤十郎の恋」の坂田藤十郎を努めます。
前回は父の坂田藤十郎襲名公演の時でしたので8年ぶりです。
玩辞楼十二曲の仲に数えられていますが、父も祖父2代目鴈治郎も務めている回数は少ない演目です。特に父は女優さんと務めることが何度かあり歌舞伎の脚本とはだいぶ違ってきています。
この作品は曽祖父初代鴈治郎が59歳の時に菊池寛原作の作品を大森痴雪に脚色させて作り上げた作品です。これは私の推測ですが5代目中村歌右衛門になりたかった、またなる気で居た初代鴈治郎は東京の成駒屋に5代目中村歌右衛門を継がれ、自分の中ではでは坂田藤十郎になりたいという気持ちが芽生えたと聞居ています。5代目中村歌右衛門誕生後8年後に菊池寛の「藤十郎の恋」が発表されて直後に舞台化をしているので初代鴈治郎は役の中でまず、坂田藤十郎になったのではと思っています。
それだけこの作品には思い入れがあったではないかと思っいます。

今回は原作を読み直し原作の中にある言葉を増やし無いところを削り初代鴈治郎の為に書かれた大森痴雪本をベースに作り直しました。
そしてどうしても観ておきたかったのが長谷川一夫主演の映画「藤十郎の恋」です。
初代鴈治郎の弟子であった長谷川一夫の伯父さんには子供の頃何度かお会いしていますが、
初代鴈治郎を知っている長谷川一夫主演の映画はどうしても観ておきたく、松竹の制作の方が貴重な映像を入手して下さいました。
役の雰囲気や衣裳等大いに参考になりましたが、座頭の風格や色気は凄まじい物があり、到底真似できるものではないと感じたのが正直な気持ちです。

今回は三場ある中で役者としての苦悩や執念等が出せたらなと思っています。

今回使った資料です。

藤十郎の恋資料.jpg

長谷川一夫の伯父さんが映画の中で着ていた衣裳を参考に選んだ今回の衣裳です。

藤十郎衣裳2.jpg

わずか3日の稽古ですが前回よりは完成度を上げたいと思っいます。

この記事のURLコメント(2)トラックバック(0)

「読み合わせ「藤十郎の恋」」

2014年11月22日

昨日来月の演目「藤十郎の恋」の読み合わせを致しました。
読み合わせと言うのは文字通り脚本を座ったまま役者が台詞を読んで行くことです。
京都の顔見世は11月30日が毎年初日で稽古は27日~29日の3日間に限られますので上演頻度が少なく殆の役の方が初役ですので台本を読みながら動きや出入りもチェックしながら芝居の全体像を描いていきます。
この稽古をしておくと立ち稽古になった時にある程度スムーズに稽古か運びます。
3日間の稽古で他の狂言の稽古もびっしり入っているので通常はやらない読み合わせ稽古を今回はやらせて頂きました。
ただ、巡業中の壱太郎は欠席ですしその他数人の方もでられず3日間の稽古で初日が開きます。

役者さんに配られる稽古割りというものです。
これだけの稽古で初日が開きます。

稽古割り1.jpgのサムネール画像稽古割り.jpgのサムネール画像

この記事のURLコメント(6)トラックバック(0)

「「竹の間」の政岡」

2014年11月12日

初役の「竹の間」の政岡もだいぶ体に染みこんできたように思います。
稽古の段階で69分かかっていた時間が65分程になりました。義太夫の入っていない場ですのでテンポアップを共演の皆様にお願いしました。その時に一番私が大事にしていることは、台詞の言葉一つ一つを粒立てることです。義太夫の語りに近いものを心がけるようにしています。そして言葉じりに息を抜かずしめることも大切にしています。住大夫のお師匠さんが「尻窄みになったらあかん」とよく仰っていらっしゃしました。そうなることでお客様に言葉がよく伝わるのではないでしょうか。そして時間短縮も芝居には欠かせません。かと言って気持ちが入らずぞんざいになってもいけないので難しいところです。

さて、この場の政岡は鶴千代を守る一心で受けの芝居が殆です。
やっていると大統領を守るSPってこんな気持かな等と思ったりもしています。
周囲に気を配り常に身を張ってでも主君をお守りする心を忘れません。
ただ、乳母という役柄上母性がそれにもまして必要です。
幕開きから八汐達の登場迄の数分間で鶴千代様と息子の千松と政岡の日常の雰囲気が出せたらなと思っています。御殿の限られた中で窮屈に暮らしている若君を和ませるのも乳母の役目でしょう。

八汐の登場から今回気づいたのが、八汐が敵であることにいつ気づくかということです。
次の御殿の場面で我が子の千松を殺すことは勿論この時点ではわからないわけですし、けれども若君の暗殺を狙う動きがあることも察しているので油断はなりません。
敵役として登場する八汐ですからお客様には善対悪の構図がはっきりしていたほうが楽しめると思いますが、最初から完全に敵だと思っていてはいけないということです。
徐々にわかってきてこの場の引込みの時に怪しいと確信します。

御殿の場で今回カットになった小槇の登場があり夫を殺され自分も加担したことを白状してすべての悪事が露天します。
竹の間からの通し上演の際はこの小槇は再び登場させたほうがお客様にのわかりやすいと思いますので次回は是非にと思います。

今回はこの後父の政岡にバトンタッチします。
お客様にどのように見えているかは判りませんが舞台袖で父の政岡を観てその空気を自分の中に染み込ませて舞台にたつようにしています。
男まさりの烈女鏡と御殿の場で語られる女性ですから竹の間でも片鱗を見せなくてはいけないのでしょう。

舞台写真です。

IMG_20141111_0001.jpg
IMG_20141111_0003.jpg
IMG_20141111_0006.jpg
IMG_20141111_0004.jpg

25日まで上演いたしておりますので国立劇場でお待ちしています。

この記事のURLコメント(8)トラックバック(0)

「いよいよ四代目鴈治郎」

2014年11月 2日

国立劇場の稽古期間中に劇場ロビーにて雑誌の写真撮影を致しました。
来年一月の四代目中村鴈治郎襲名特集のページです。
兄の翫雀はこの国立劇場が翫雀最期の舞台となります。
撮影は篠山紀信氏で両親と兄一家と私一家が揃っての撮影となりました。
兄の紋付きの紋が鴈治郎の定紋"イ菱"となっているのを見るとやっと実感が湧いてきました。
来年1月からの公演ですが、今から本当に楽しみです。

家庭画報1.jpg家庭画報2.jpg

この記事のURLコメント(4)トラックバック(0)

「本日初日国立劇場「伽羅先代萩」」

2014年11月 2日

昨日まで5日間の稽古を終え本日国立劇場の初日を迎えました。
先週の土曜日が歌舞伎座の千穐楽でしたからあっという間の一週間でした。
国立劇場は初日の2日前に初日通り衣裳を付けて舞台稽古をして前日には化粧をせずに舞台稽古をします。通常は初日通りの舞台稽古を前日に1回やるだけです。

これは珍しい素の舞台稽古の様子です。

2014年02月14日08時44分49秒.pdf004.jpg

子役さんは衣裳をつけ化粧をしています。兄の八汐と私は子役さんとの絡みもあり掛けだけ本番用の物を着ています。

今回の公演では「竹の間」と「奥殿」と続く中で父の藤十郎と私が同じ"政岡"の役をリレーします。これは父の年齢を考え体力的な事を配慮してのことです。
「竹の間」は義太夫狂言の通しですが、義太夫が入りません。ですから台詞劇となります。
「奥殿」とは自ずと雰囲気が変わりますが人物は同じですので別人に見えないようにしなくてはいけません。
幸い衣裳は同じ黒地に雪持ち竹の掛けを着ているので人物は同じに見えるでしょうが、やはり格という部分で芸歴70有余年の父とは比較されるとどうにもなりませんので、今できる私の政岡を目指します。30年後に父の政岡の格に並べればと思っています。

この「竹の間」では幕開きから八汐たちの出迄の短い間に鶴千代と千松と政岡の関係をお客様に知らせておく必要があります。
そして八汐の出からは命を狙われている鶴千代君を守ることに全神経を集中させます。
初役ですので初日が開いてお客様が入られてからの舞台の雰囲気は稽古とまた違い、そこから生まれる緊張感というものがありますので公演中に色々な発見や変化が生まれてくると思います。
女形の最高峰とも言われる"政岡"ですが、この「竹の間」からでも演じることができることはありがたいと思っております。

皆様是非国立劇場にいらして下さい。本日より25日迄休みなく公演しております。


公演のお問い合せは下記へメールで受け付けております。

suzumenokai@senjaku.com

この記事のURLコメント(10)トラックバック(0)