中村扇雀の公式ブログ

2020年2月記事一覧

「2月20日は歌舞伎の日」

2020年2月20日

2月20日は歌舞伎の日です。

出雲の阿国が1607年(慶長12年)のこの日に江戸城で家康の前で「かぶき踊り」を披露したエピソードに基づいてとのことらしいです。

実は知りませんでした、、、出雲阿国も400年後に歌舞伎という演劇に発展して続いているとは想像もしなかったでしょう。当人に会っていろんな会話を交わしてみたいですね。
忘れている何かを与えてくれる気がします。

今月2月は昨年の5月以来の8ヶ月ぶりの休暇を頂きその歌舞伎から少し離れているのでへーそうなんだと当事者意識から離れてネットの記事を読んでいました。

1月27日の松竹座の千穐楽を迎え一度リセットの状態に入り、喉を休めることに専念いたしました。「酒屋」のお園。大好きな役ですが最後の10日ほどは喉が完全な状態で努められなく申し訳ない気持ちでいっぱいです。また、次回は半七に変わる成駒屋伝統の演出も継承していきたいと切望しています。

さて歌舞伎から離れ1月28日には梅田芸術劇場でミュージカル「CESS」を観劇。

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ラミン・カリムルーとサマンサ・バークスという現代のトップミュージカルスターの生声をロンドンではなく梅田で聞けたことにまず感動。体に響いてくる声は観るものを感動の世界に導いてくれます。ラストはメインテーマをラミンにもう一度歌い上げて欲しかったのですが、ちょっと心残りでしたが余韻に浸ってカラヴァッジョへ

あべのハルカスにて「カラヴァッジョ展」。

誰よりも好きな画家"ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ"
生の作品が一挙に10点集まる今回の「カラヴァッジョ展」はまさに奇跡です。
カラヴァッジョとの出会いはルーブルでした。それまで最も好きな画家レオナルド・ダヴィンチの"モナ・リサ"を見て横のイタリアの部屋に移りダヴィンチの"ミラノ貴婦人""洗礼者聖ヨハネ"に感動した後にカラヴァッジョの実物を目にしました。
絵の前から動けません。絵画は一瞬を捉えているはずなのに前後の時間が映像のように見えてきたのです。あたかも映画のワンシーンにでくわした感覚です。
"聖母の死""女占い師"人物の表情、息遣い、感情が伝わってきました。動けません。
その後1996年のイタリア公演では事前にカラヴァッジョが見られる美術館、教会。宮殿などを調べて本物に多く触れてきました。ベルリン公演では午前ホテルからのジョギングの目的地はベルリン国立美術館で、1点所蔵している"勝ち誇るアモル"を連日見に通いました。
一昨年のサンクトペテルブルクの公演ではエルミタージュ美術館にこれも1点のみ所蔵している"リュートを弾く若者"を見ることだけが楽しみで訪れたのですが、なんとフランスに貸し出していて見る事が叶いませんでした。落胆と傷心で別館に足を運ぶとマティスが大量に展示されていて、彼も数少ない好きな画家の1人でしたのて、少しは救われ溜飲が下がったのは記憶に新しいところです。
今回の展示はやはり個人所有の"法悦のマグダラのマリア"と"横たわる洗礼者聖ヨハネ"に会えたことは心から感動しました。拙い表現では伝えられないのですが力強さ、繊細さ、構図、表現力、色彩感覚あとなんでしょうそのテクニックは別次元に思えます。
美術館や展覧会ではまず全体をゆっくり通して見てから引き戻るようにしています。
そして何度も気になる絵の前で色々な角度や距離感を持って見直します。
海外はフラッシュなしの撮影可のところが多いのですが、今回は不可だったので残念です。"法悦のマグダラのマリア"はその心の声が聞こえてきそうです。そう、カラヴァッジョは音声が聞こえてくるように感じる時もあります。まさに起こっている現象をここまでリアルに一瞬をとらえる生々しさは現代の写真とも違っています。400年ほどたった現代でもその生々しさは伝わってきます。凄い事です。
これだけの数のカラヴァッジョを日本で見られということは、各地の所蔵の美術館では私がエルミタージュで味わったのと同じ悔しさを味わっている多くの方がいらっしゃると思うと申し訳ない気がしますが、集めて下さった主催者に心から感謝します。

29日はミュージカルの実写版映画「CATS」
猫好きの方は必見です。ラストのオスカー女優ジュディ・デンチの言葉は笑えるのですが人間への忠告です。こんな猫いそうですが。ロンドンで見たミュージカルは完全に英語を理解していなかったので字幕は嬉しい。
ジェニファー・ハドソンが名曲メモリーを歌い上げイアン・マッケラン、テイラー・スウィフトそして主役に抜擢されたロンドンの英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルランチェスカ・ヘイワードの可愛らしさ世界には凄い人がいます。当たり前ですがみんな猫なんです。
猫好きの方は是非見て下さい。犬好きの方も、、、

30日歌舞伎座にて俳優協会の理事会に出席。

2月2日は京都の節分に参加。
京都五花街の節分は通称「おばけ」といい芸妓さんが趣向を凝らして余興をやり厄落としをします。
例年京都の老舗和菓子屋さんの友人宅に仲間が集い、当日参加の方々は着物縛りです。
恵方巻を皆で食しその後芸妓さん達に順番に来て貰います。

その時の流行や歌舞伎をパロったりします。
今年はジニーあり冨樫あり梅川ありとその他盛り沢山でした。

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時には参加させられます。

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十四代で有名な高木酒造の高木さんが参加できずその代わりにお酒を送ってくれました。
滅多に手に入らない逸品です。感謝。日頃菊正宗しか飲まない私ですが本当に美味しい。

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3日節分祭で有名な吉田神社に参拝。夜は宮川町で節分を拝見。
4日は阪北ロータリーの方と引き続き先斗町で節分。ジニーに再会。
5日は大阪北ロータリーの例会に出席。

7日は東京グランドパレスホテルでコシノジュンコさんのディナショーへ
オペラのガラとディナーが一体となり白と黒が基調の個性豊かなショー。
ジュンコ先生の感性ならではで、食事も美味しく素敵な時間を過ごせました。
幼なじみの千住明夫妻にも会い旧交を深める。

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10日は浅草の「鷹匠壽」に友人と鴨を食べに。1シーズンに一度はこの鴨を食べるのは日本人として四季を感じる大事なひと時です。お酒は持ち込み可のお店ですのでシェフの三國清三さんにお正月送って頂いた、"元旦しぼり"というお酒を持参しましたが、これが鴨との相性抜群でした。ありがとうございます。

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11日は江坂のライブハウスでサザンのカバーオンリーの友人のライブへ

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高校生の頃から聴いていたサザン。やはりバラードに名曲が多いことを改めて感じノリノリのライブの後は大好きな「祇園楽味」で会食。好きなものを注文できるシステムは最高です。

12日は昼は大阪北ロータリーの例会引き続き夜は"祇園一力亭"で大阪北ロータリーの懇親会約60名の会に出席。
久しぶりに邦画「嘘八百」を見に行き心地の良い笑いで健康的に。
14日12月決算の自社の確定申告資料を税理士さんに提出
15日は大阪鶴橋の名店「福助」で友人達と鍋を囲む。
この名店4月には北新地閉店とのことです。次回は北新地で楽しみです。

16日近鉄アート館にて「黒蜥蜴」観劇
元0SKトップスターの高世真央さんと茂山宗彦さん共演の歌劇
知り合いの先斗町の市乃さんも出演していて興味深く拝見しました。

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17日「1917」アカデミー賞の作品賞は逃しましたが、ワンカットの手法は驚愕です。
役者さんの集中力や監督、スタッフの力は限界に挑戦している感じが見ている私を生の戦場に導いてくれます。ラストは感涙。舞台では出せない映画の大スクーリーンの醍醐味がここにあります。IMAXで見たのですか凄い迫力です。技術の進歩は驚くばかり。いや嬉しい限りです。歌舞伎にもいずれ応用されるでしょう。

18日阪北ロータリーの例会に出席

と、休みの月なのになぜか日程がびっしりで日頃公演中にはできないことを全てこなしていっています。

剥離骨折で入院加療中の父のお見舞いも欠かせません。

来月の台本も送られてきて休みも僅かとなってきました。

コロナウィルスの猛威は予測不可能の域に入ってきているようで、イベントが中止され、私も過去に2度完走した東京マラソンの一般ランナーの出場禁止という予想もしないことが起こっています。感染経路の不明な方が出現したことによりさらに自己防衛が必要になるでしょう。

皆様くれぐれもご自愛下さい。

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