中村扇雀の公式ブログ

2013年6月記事一覧

「エネルギー源」

2013年6月22日

舞台の演目と演目の合間には僕はあまり食べ物を口にしません。
特に女形の場合はお辞儀をしたりする場合帯の位置が高いので食べたものが戻ってくる感じがダメなんです。
僕自身"逆流性食道炎"の診断をされたことが過去にあるので特に控えています。
しかし、今月の「紅葉狩」のようにある程度体力の必要な演目には勿論エネルギー補給が必要になってきますので楽屋にはこのキャンディーを常備して舐めています。

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ブドウ糖とクエン酸を瞬時に補給できます。
これはマラソンの時に初めて舐めてお気に入りなんです。

この商品はスポーツ用品店に売っていますが、先日ドン・キホーテでも見つけました。

手軽にエネルギー補給が出来るスグレモノでかなり気に入っています。

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「イベント参加」

2013年6月22日

6月13日舞台終演後に"marunouchi cafe SEEK"で開催されたセミナーに出席して来ました。

これは、国立劇場が主催で丸の内界隈で働く方々を対象に開いているセミナーで11回目の開催だそうです。
今回のテーマは「浮世絵から紐解く歌舞伎その1」というテーマで国立劇場の石橋健一郎さんが講師を勤められゲストで参加して参りました。

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前半の45分は石橋さんが浮世絵から当時の役者の素顔を読み取ったりすることが出来る等のお話で後半45分に参加しました。
私の曾祖祖父の三代目翫雀の写真や今演じている「紅葉狩」を作った九代目團十郎さんの更科姫の写真等を前に色々とお話させて頂きました。

見くいのですが、曾祖祖父の三代目翫雀です
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そして九代目團十郎の"更科姫"の写真
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70名ほどのお客様で質疑も含め熱心に話を聞いて下さいました。

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最後は私のサイン入りの団扇を抽選でお配りしてお開きとなりましたが身近にお客様に触れるのは私も楽しいんです。

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出席下さった皆さんありがとうございました。

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「11月のスチール写真」

2013年6月22日

11時の公演と14時30分の公演の間で先日速報でお知らせした11月国立劇場公演「沼津」の"お米"のスチールを国立劇場の稽古場を使って撮影しました。

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初役ですが帯の色は好みで選びました。
今月に入る前に炭水化物を減らして体を絞ったのですが、さすがに「紅葉狩」2回は体力を使うので炭水化物を摂るようにしているのですが、写真見ると少し太めに写っている気がしてちよっと気にしてます。

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「"伊之助"の衣装」

2013年6月22日

8月の歌舞伎座「狐狸狐狸ばなし」の伊之助のスチールを「紅葉狩」の2回公演の間で撮って欲しい松竹宣伝から依頼が来ましたので、衣装を選ぶことにしました。
この役は勘三郎の兄貴のイメージが強いので全く自分のイメージだけで衣装を決めることにしました。

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この4枚の縞の中から1枚選びました。

どれを選んだかは考えてみて下さい。

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「拵え場」

2013年6月22日

更科姫から後ジテの鬼女に変わる早拵えを少しだけ公開致します。

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最後に食紅を舌に塗って完成です。

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「STRADIVARIUS 2013」

2013年6月22日

今月の6日の日、公演終了後にサントリーホールの「STRADIVARIUS 2013」のコンサートに行って来ました。
今月は紅葉狩を2回踊っているので公演後はあまり予定を入れないようにしているのですが、このコンサートは昨年に続いてご案内を頂き、時間的に伺えたので行って参りました。

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クラッシックは全くの素人ですが、心で聞くようにしています。
この"素人ですが"という言葉を耳にする機会が多いんです。
それは、歌舞伎の話をする時に皆さん"素人ですので"と前置きして話されることが非常に多いということなんです。
私はその時何と答えているかといいますと、「お客様ほとんど全員素人で歌舞伎演られる方はいないと思います。その素人のみなさんに楽しんでいただくのが歌舞伎なんです。」
ですから、楽器を演奏できるわけでも何千とある交響曲を片っ端から聞いているというわけでもない私が愉しむためには、演奏者の心に入っていくことだと思っています。

そして、その時の自分の心で音を体に入れていきます。お客様にわかっていただこうというよりも自分が今できる最高を客席で感じて頂きたい。そしてそれを五感で感じたい。これが舞台と客席のいい関係なんではないでしようか。

疲労感で睡魔に襲われるのではと思いつつも時間が短く感じられるほど堪能しました。

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「鬼女の指」

2013年6月22日

今回の「紅葉狩」の後ジテで鬼女の指の形をどうするかで少し悩みました。
鬼は3本指で演じることがほとんどなのですが通常以下の二通りがあります。

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多くの先輩達はこの2種類のどちらか或いは両方を使っています。

今回の私の選択は右側の3本指に致しました。
左ですと客席からは指が細く見えすぎて鬼としての強さが出ていないと思ったからです。
ただ今回こだわった鬼女の女の部分からすると左の細いほうがいいのかもしれませんが、実は毛を持ったりするときも右の方が演りやすいというのも実はあるのですが、ともかく今回は右の指で演っています。


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「残り2日間」

2013年6月22日

国立劇場の「紅葉狩」も後2日間の公演となりました。

21日間42公演が終了致しました。丁度3週間経ちました。
すでに多くの方にご覧頂きありがとうございます。
あと26日の静岡公演を含めると6回となりました。

初日から回を重ねて変わってきたこと、また演出上変化したことなどをお話します。
今回舞踊を演じる中で一番感じたことはやはり曲を演奏して下さる演奏者の方が7割から8割メインで演者は残りではないかということです。これは亡くなった富十郎のお兄さんがよくおっしゃっていたのですが、勿論お客様は踊っている役者を視角にに捕らえているのですが
踊っている私自身は曲に乗って踊っています。と言うよりは1つ見方を変えると踊らせられているのかも知れません。芝居は台詞のリズムや間は役者が作れますが、曲は演奏者に委ねられていますので役者は何も出来ないに等しいんです。足を踏む間等は役者の体を見てくれますがそこに至るまでの全体の流れがありますので突然ゆっくりにもできません。
また今回の紅葉狩の歌詞は風景の描写が多いのですが、私自身心に描きそれが目の前に浮かんでその空気の中に入って踊っています。ですから演奏者の方にその風景を見せてもらうことが大切になってきます。また感じること。その感覚が客席にいる皆様に同じように伝わり同じように目の前に見えてきたら最高なのではないでしょうか。

この「紅葉狩」という演目は、お姫様で出てきても実は鬼女ですので何とか維茂を引き止めたいのですが、あからさまには出来なませんので難しいところです。引き止める台詞も微妙に感情を入れるように変わってきています。姫の気品優先にすると感情が表現しにくく、感情優先ですと気品が崩れそうになります。その中間を探っているところです。
岩橋が維茂を止めに行く前に田毎に目配せをするのは途中から始めました。そこは下品にならないことを心がけています。
お酒を飲ませる件で維茂は3回飲みますが、最後の1回は目を合わせないように変えました、心でしめしめと思ってそっとお酒を飲んでいるのを確認しつつ伺っています。
自分が飲むときに維茂と目が合い照れ隠しで飲む飲み方も初日よりはかなり表現を大きくしています。

"妾が拙き舞振りは"の台詞以降の踊りの手順は藤間宗家の振りを守っています。
ただ、最後にお扇子を閉じる前に手前に跳ね上げ一回転させるのは私の案です。
初日から変わったのは歩幅を箇所箇所で狭めたこともあります。
常磐津の「滑らかに」で鬼の心が少し出かかり「緑の」と長唄に変わる変わり目は維茂を見た瞬間に長唄の三味線の方に「はっ」と大きく声をかけて頂くのですが、当初は鳴物とかぶって聞こえにくかったので、僕が顔を見る間を遅らせて解決しました。その後の「緑に茂る」では足の踏み方を初日よりは早くしています。これも維茂に正体を見破られないためのごまかしなのでとんとん運ぶようにいたしました。
両手でお扇子を回す件でどうしても左手の回すのが苦手で何度か左の回転が途中で止まってしまいました。振りに影響はないのですが片手になると見た目が悪くなりますので今後の課題です。
ニ枚扇はお姫様に相応しくない振りではありますが、九代目團十郎の彼女がお扇子屋さんだったので宣伝の為にニ枚扇の振りにしたと、浅草文扇堂のご主人に聞いたことが有りますが、嘘のような本当の話のようです。引っ込む前の「こーれ」の台詞は「こ」を高い女形の声で出し「れ」で低い音に下げています。これはあまり皆さんやっていないかと思います。
後ジテは隈に紅を目の下と口に残したのは正解だと思っています。鬼女の女の部分を表せていると思います。また裾を引いたままの後ジテも私は袴より動きにくくなりますが、演ってい女の気持ちになりやすくお客様にも女の部分を感じて頂く一つの要素になっていいと思っています。
幕切れの紅葉は初日は扇風機を使いましたが威力がなく全く効果が得られなかったので、全体に紅葉を降らす演出に変えましたが、好評のようで喜んでいます。
小枝を維茂に2本投げるのが決まりのようになっていますが、私は1本にしています。大きい枝を抜いたつもりが小枝だったので相手に投げつけ次に大きい枝を抜く思い入れで1回に変えました。

まだまだ有りますがあまり専門的なことはつまらないと思いますので、このへんにしておきます。

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「速報2弾」

2013年6月 5日

8月歌舞伎座1部の「鏡獅子」に長男・虎之介"胡蝶"で出演させていただくこととなりましたのでご報告致します。
3部の「狐狸狐狸ばなし」の伊之助は今から台本を読み直し役作りを始めていますが、7月の柳沢騒動の護持院隆光の役も今までに勤めたことのないキャラクターで、何しろ25歳の美僧で"歌舞伎役者より美しい"と台詞にあるような役で、しかも将軍に生母桂昌院に色で取り入るような出世欲の強い人物ですので役作りが今から大変なんです。頭を丸めた役は道成寺の所化以外に勤めたことがないので「紅葉狩」初日が開いたばかりですが毎日2回勤めながら次の準備も始めています。


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「速報」

2013年6月 5日

ちょっと早すぎますが11月国立劇場の速報チラシがてきましたので掲載します。

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私は父の十兵衛で初めて平作娘"お米"を初役勤めます。
平作が何と兄の翫雀がこれも初役で勤めます。
有名な千本松原の場で初めて私達親子3人の共演となります。
そして父と兄が芝居の中では親子逆転で父の父に兄がなるという芝居ならではの取り合わせとなります。
私でなくても今から楽しみな舞台ですので大分早いのですが取り敢えず新着情報として掲載いたしました。

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「ブルータス」

2013年6月 2日

現在発売中の756号ブルータス(6/1発売)『人間関係』(篠山紀信撮影)
のページに出ていますのでご覧下さい。

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「「紅葉狩」の事」

2013年6月 2日

今回の「紅葉狩」は私にとっては初演です。
現代にはビデオと言うものがあるので多くの先輩の「紅葉狩」の映像を拝見しました。
この演目は明治時代9代目團十郎が初演した作品てすので比較的新しい演目と言えると思います。
また今回集めた資料の中にその9代目團十郎の映像もありとても興味深いものでした。

振り付けは藤間宗家にしていただき色々と相談させて頂きました。
舞台美術も国立劇場の方が改めて作って頂き素敵な舞台となりました。
紅葉の葉を多く散らしたかったのですが、国立劇場に大きなファンが無く希望通りに舞台稽古でいかず本番でやるかは思案中です。

今回藤間勘祖先生からの教えで大事だったことの1つが
鬼女
という言葉です。

これは後ジテになってもあくまでもであってということを意識し過ぎるとの部分が消えるのでそこの意識を忘れないようにと注意して頂きました。

また国立劇場は上演にあたり下記のような資料を集めた本を作ってくれます。
過去の上演記録や劇評や芸談と参考になるものが満載です。

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大変参考になる物が多く初日を迎えるにあたり熟読致しました。
しかし知識より表現ですので良い舞台を勤めたいと思っています。

是非劇場に足をお運び下さい。

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「国立劇場 歌舞伎鑑賞教室 本日初日」

2013年6月 2日

5月27日歌舞伎座千穐楽の後3日間の稽古を終え

国立劇場「紅葉狩」本日初日を迎えました。

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11時開演と14時30分開演の2回公演です。
当日券もございます。
1等¥3,800
2等¥1,500
学生:全席¥1,300

24日㈪千穐楽迄
尚、平日は鑑賞教室ですので各学校の団体の観劇となっています。

劇場でお待ちしております。
お問い合わせは下記にご連絡下さい。

suzumenokai@senjaku.com

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「モロゾフのプリン」

2013年6月 2日

子供の頃からモロゾフのプリンが好きなんです。
あの容器捨てられなくてよく家に置いてありました。
しかし蓋がないのでカップ意外に花瓶にも小さく結局いなくなっていたんです。

朗報です。

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先月楽屋に頂いたモロゾフのプリンに何とキャップが付属していたんです。

サイトを調べましたら期間限定でした。

http://shop.morozoff.co.jp/user_data/p-collection2013.php

欲しいと思われた方、個数限定のようなので問い合わせてみて下さい。

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「5月30日」

2013年6月 2日

5月27日に柿葺落五月大歌舞伎は27日間という通常より2日間長い公演も盛況のうちに千穐楽を迎えることが出来ました。ご観劇下さった皆様誠にありがとうございました。
改めて御礼申し上げます。

さて、5月30日は亡くなった勘三郎のの誕生日です。ご自宅でいつものように友人が集まっていますとの連絡を好江夫人から頂き自宅に行って参りました。

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CONGRATULATIONS
と部屋に掛けられいます。
主役不在ですが、変わって先日生まれた2人目の孫「哲之(のりゆき)」も退院してきてお披露目の予定でしたが、残念ながら稽古を終えてお邪魔した時には既に睡眠中で対面は叶いませんでした。

変わって七緒八君が4月歌舞伎座の「お祭り」の映像を見ながら見事に踊って集まった皆を大いに沸かせていました。

彼には完全にお兄さんが宿っています。

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