中村扇雀の公式ブログ

2018年3月記事一覧

「35周年ディズニーランド」

2018年3月30日

今年35周年を迎える東京ディズニーランド!

舞台と舞台の合間で必ず来てるディズニーリゾート。
35年間通い続けても色あせない素晴らしさは何なのでしょう。
どこがいいのと聞かれたら好きな食べ物を何故好きなのと聞かれるのと同じ答えで好みだからと答えてしまうと思うんです。
還暦を2年後に控えてますが変わらず好きです。

千穐楽を迎えると完全に一度頭の中から前日までの事を消去しようと努めます。
そうしないと次の演目が頭に入ってこないんです。

4月10日から5月のコクーン歌舞伎の稽古開始となり台本がまだできていないので台本が来るまでは完全な休暇となりました。
勿論、「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」の資料を集めたり準備は始めますが、近年の串田さんの演出はご本人の口から演出プランを聞かないと方向性がわからないのであまり多くの準備はしません。

通年でわずかの休暇なので有意義に活用と思っています。

そこでディズニーシーとランドに2日かけて行って来ました。
28日にシーへ
公開中の「リメンバー・ミー」のペイントがロストリバーデルタにあり
今年のアカデミー賞の長編アニメーション賞受賞作なので是非観たいと思っていたので1枚。
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ディズニーシーに行かれて夕食に迷ったらホテル・ミラコスタの中華シルクロードガーデンがお薦めです。
必ず行っています。

昼ごはんはネットで予約出来るリストランテ・ディ・カナレットで運河の横のテラスでイタリアン。
ちょっとした工夫でもファンとしては嬉しいものです。

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宿泊したホテルから夜明けのディズニーリゾート

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2日目はランドへ
ここでしか履かないVANSとDisneyのコラボシューズ
お気に入りです

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桜の咲いてる時期に来たのは久し振りで桜越しのシンデレラ城はも年に1週間くらいなので桜好きとしてはちょっと嬉しかった。

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そして月下のシンデレラ城

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移動はモノレールで
イースター特別バージョン

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2日間遊び尽くして帰ってきました。

歌舞伎の舞台を初めての方にディズニーに行くのと同じ気持ちで来てくださいと常々言っていますが、この楽しさと同様の楽しさを提供するのは並大抵ではありませんが、この満足感をお客様に味わって頂きたいとは願っています。
私の物差しですが。

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「錦祥女を努めて」

2018年3月30日

3月歌舞伎座大歌舞伎も27日に千穐楽を迎え25日間の全日程を終了しました。
ご来場下さった皆様、心から御礼申し上げます。

歌舞伎座は全国の劇場や会館、ホール等演劇を上演する全てのスペースの中でも特別な場所で、この場所で役を演じることの責任や重みをいつも感じます。
今回は初演(文楽)時に17ヶ月ロングランの記録を作った近松門左衛門の名作「国性爺合戦」
の久し振りの上演で、"錦祥女"は多くの先輩が演じた役でもあり楽しみにしていた演目でした。

3月19日の「国性爺合戦」でも話しましたが
約300年程前の近松門左衛門の名作を歌舞伎に移した演目で今回も文楽の上演床本を練り直し近々の歌舞伎上演の台本に数か所の手直しを自分なりに入れて舞台に臨みました。

今回の4場は錦祥女と義理の母である渚と2人の女性の葛藤が中心となった人間ドラマであり渚を務められた秀太郎のお兄さんとの母娘がドラマの中心となっています。
義太夫狂言を得意となさるお兄さんとの共演は大変楽しくまた勉強にもなります。
常々役を好きになることをモットーにしていますがこの"錦祥女"は演れば演るほど好きになっていった役となりました。

楼門の上に城主の妻としてあらわれ約20年振りの父との再開、旦那様と父、義母の間に挟まれての葛藤。そして自害して義を立てる気高さ。
どこをとってもやり甲斐があり、そして普段着ることのない中国風の衣裳に派手な冠を乗せた鬘と楽しい限りです。

楼門の場では門の上ということもあり動きが少なく義太夫中心ですのでお互いの息が一番重要になってきます。六大夫さんと燕太郎さんの竹本のコンビと25日間25回努め、問題点や改善点等話し合いを進め結果が得られたと思っています。歌舞伎の大夫さんは文楽の太夫さんに稽古をしてもらうこ通常は無いので録音を聞いて勉強しているのですが、本作品に限らず義太夫の持っている魅力を歌舞伎という形態を通して更に表現していくこと。それは大きな目標です。

言葉が難解な部分はありますがお客様に近松門左衛門の作品の素晴らしさが伝わればと願いつつ舞台に立っていました。
大好きになった"錦祥女"、再び演じられる事を願いつつ5月コクーン歌舞伎に気持ちを切り替えます。

1ヶ月ありがとうございました。

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「夜桜」

2018年3月26日

目黒川は近年都内のお花見スポットとして有名になりましたが、一昨日中目黒の"裏虎"というお店で会食をした帰りに寄ってきました。
物凄い人出に驚かされましたが、この美しさを見れば人が集まるのは仕方ありません。

桜はほんの一瞬しか命はありませんがその美しさは幽玄の世界に誘ってくれます。

大好きな花です。

昨年の8月野田歌舞伎で「贋作桜の森の満開の下」を上演しましたがふと思い出していました。
桜には何故か死後の世界、亡くなっていった人々を彷彿させる力があると以前から感じています。

雑踏の中で10分ほどの滞在でしたが今年も満開の桜の下に立てた喜びに浸っていました。

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雑踏が嫌いな方
ご自宅で美味しい夜桜をお薦めします。お気に入りです。
"末富"の「夜桜」練り羊羹です。
京都本店か全国高島屋で入手できます。

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「日日是好日」

2018年3月24日

日日是好日のカテゴリーを追加しました。
昨年亡くなられた敬愛していたアートディレクターの長友啓典さんのブログ『日々@好日』
が大好きでした。先日一周忌を迎えました。その模倣です。
浩ちゃんならええわやってやと言ってもらえるような気が勝手にしています。

3月8日
下北沢ザ・スズナリ
「毒おんな」椿組2018年春公演
久し振りのスズナリに心躍りました。新宿ゴールデン街の"くらくら"からのご縁で椿組の公演に。主催者の外波山文明さんは気さくな愛すべき演劇人で飲み屋の親父さん。舞台にも人柄が溢れています。主演はキョンキョンこと小泉今日子さん。スズナリの空間に見事にマッチして完璧な毒婦。何よりも舞台にあるリアリティ感が心地よく嫌味なく現実の事件の進行を覗き見ている臨場感は最高に楽しめました。終演後一言お疲れ様を云い恵比寿の"翁"で大好きな蕎麦そしてゴールデン街の"くらくら"で外波山氏に会いに。
哲明さんの番号を引き継いだバーボンのボトルで乾杯。芝居、美味、美酒。これ以上は望めません。

ここに掲載するこの公演のチラシが黒田征太郎さんのてによるもので、亡くなった長友啓典と長年K2という会社をお二人でなさっていた方で私も大好きな方なのです。これも何かの縁のような気がします。

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3日21日
よみうり大手町ホール
「東海道四谷怪談」
砂岡事務所プロデュース
スズナリの座席に置かれた多くのパフレットの中にこの公演のチラシが入っていました。
花組芝居の加納幸和さんの脚本と劇団鹿殺しの丸尾丸一郎さんの演出がどうしても気になり初めてeプラスでチケット申し込んでファミリーマートで受取公演に出向きました。
生憎の雨の中大手町の読売新聞本社に足を踏み入れるとそこには読売ジャイアンツの大きな垂れ幕が下がり、ジャイアンツファンの私としては聖地に来た気分をまず味わいました。
そして驚いたのが客層です。東海道四谷怪談なのに年齢層が若い。コクーン歌舞伎で私がお岩様を演らして貰ったときと比べると雲泥の差にまず驚く。アイドルのコンサートのような客層で男性率は極端に低い。この時点で嫌な予感がしたのですが、幕が開いてその予感が外れたことにかすかな喜びと次に嬉しさがこみ上げてきました。それは南北の書いた四谷怪談がスピーディーに展開されていきます。加納さんの脚本なので原作の言葉がきちっと残っています。塩谷浪人とか高師直とかの言葉そのままなので周囲の若いお客様はおそらく仮名手本忠臣蔵を見たこと無い方ばかりに思われるのでどう理解しているのが不安に思いつつも舞台に集中。宅悦役の植本純米(潤改め)とかつて仕事をしたことがあるので彼の出演も足を運ぶ要因ではあったのですが、完全に鶴屋南北でした。和装と洋装のふたパターンありこの日は和装公演でしたが、洋装の公演に思いが行ってしまいます。刀等の小道具はどう扱うのだろう。髪すきの時の髪形は?色々思っいるうちにふとシェイクスピアに思いが移り、ジーパンにTシャツのハムレットがあるのだから歌舞伎座で現代の扮装で古典の演目は出来るのかも、等と妄想したりもしてました。とにかく夢の場も与茂七の仇討ちも三角屋敷も地獄宿も全て込みで2時間15分に収まっていて現代のギャグ(なだぎ武さん)ありで物凄い刺激になりました。木下歌舞伎の場合は完コピをしてから作品に取り組むのですが皆さんはどうしていたのか。そして何より全員が男性。即ち女形なんです。お袖の"白瀬裕大"さん特に素敵でした。皆さん役者以外の活動をしてらっしゃるようなので客層を理解できましたが、このお客様が歌舞伎座に来てもらうにはどうしたら良いのだろうと思いつつこれも歌舞伎だ!がすべての感想です。観てよかった。

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終演後は"ビストロシンバ"で舌鼓を。好きな店です。


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「日本芸術院賞」

2018年3月24日

平成29年度(第74回)日本芸術院賞授賞者に選出して頂きました。

歌舞伎美人のインタビューにもお答えしましたが、初舞台から半世紀の時が流れ改めて歌舞伎の家に生まれ歌舞伎に携われていることを幸せに感じています。

人生という限られた時間軸の中で、与えられた運命を、この先も歌舞伎を中心に様々な形で表現者として過去・現在・未来すべてのことに感謝の気持ちを忘れずに自分なりに生きていく事を楽しみたいと思っています。


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「舞台写真入り番付の販売開始」

2018年3月22日

三月大歌舞伎の舞台写真掲載のプログラムが21日より販売となりましので、私がお名前を書いてサインしたものをご希望の方にご郵送致します。

一部¥1.600(送料・消費税込み)

尚、劇場受け渡しご希望の方は引換希望とお申込みの際にお知らせ頂ければ定価にてお渡し致します。

ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。

ご応募お待ちしています。
締め切りは27日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます。

suzumenokai@senjaku.com

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「「花道会」講演会」

2018年3月20日

3月18日歌舞伎座の食堂"花籠"で「花道会」講演会の公演を久し振りに行いました。
多くのお客様にご来場頂きまして誠にありがとうございました。
この場を借りて御礼申し上げます。
元フジテレビの野間様との対談形式での講演でしたが80分程楽しく話をさせて頂きました。
お客様と身近にお話出来る機会は大変楽しく、歌舞伎座ギャラリーでのレクチャーもまだ一度も参加していないので呼んで頂きたいなと密かに思っています。
昨年、初舞台から50年という節目で「三代目扇雀を生きる」は出版しましたが、しばらく休んでいたブログも更新しお客様にいろいろな形で発信していきたいと思っています!

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「国性爺合戦」

2018年3月19日

3月歌舞伎座に戻ってきて昼の部の序幕で「国性爺合戦」の錦祥女を初役で務めています。
2月博多座の千穐楽が25日で26日に帰京し27日から3月2日迄の4日間の稽古です。
初役で義太夫狂言の稽古が4日間は少ないのですが日程の都合上与えられた事をこなしていきます。各日1回通して終わりですので計4回。舞台での稽古が今回は2回。衣裳が初日前日迄出来ず衣裳と鬘を付けた本番どおりが1回。

中日を迎えた15日迄も義太夫さんと演目終了後に連日チェックです。
演出家の居ない古典は役者あるいは教えて下さった先輩が演出家となります。
今回は私自身が演出家の目を持っての上演となります。
まず最初は文楽の映像を繰り返し見て言葉の訛りから勉強を始め、役の空気感や性根等を探り出していきます。
歌舞伎の台本は先輩方が文楽の床本を元に歌舞伎上演様に改訂したものです。
今回も父が上演した時の台本をベースに印刷したのですが、その後文楽を見ていて抜いてある箇所や歌舞伎用に変えてある部分を自分なりに再確認していきます。この言葉は入れておいた方がいいなと思う箇所は復活させたりもします。
また、竹本さんの語る部分を私が台詞で言う箇所を増やしたり役を作り上げていきます。
最初の「楼門」の場は特に竹本即ち義太夫が重要になってきます。
義太夫狂言はいわば音楽劇ですので、そのできの良し悪しが作品の出来栄えを左右していく大きな要素の一つとなります。特に台詞ではなく義太夫に合わせて身体表現をする部分ではこちらの感情と義太夫さんの感情そして間とリズムが一体化することが要求されます。
文楽は人形が表現しますが歌舞伎は生身の人間が表現しますので、よりリアリティが必要になってきます。そのリアリティこそが芝居を盛り上げていく根本だと考えていますので最も大切にしたいと考えています。
初めての役は実際に幕が開いてからお客様の反応や臨場感で役が成長していきます。今回も日ごとに役が体に馴染んでいく感覚があるんです。
役は松竹のプロデュサーの方が決めるのですがどんな役でもまず好きになること。
自分の演じる役を好きになること。これも大切なアプローチです。
今回も運命に翻弄される錦祥女は大好きになりましました。
お客様に感情移入していただけるよう日々務めています。


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写真:歌舞伎座


残り1週間となりましたが、上演回数の少ない本作品を是非御覧下さい。

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「ゴルフトゥデイ4月号」

2018年3月19日

3月号に続き片山晋呉さんとの対談第二弾が掲載されてます。
是非ご一読を!

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