中村扇雀の公式ブログ

2015年1月記事一覧

「白富士」

2015年1月29日

昨日の東京発の飛行機から見えた富士山です。
私が空撮しました。綺麗な冠雪です。
曽祖父の初代鴈治郎は好んで富士山の画を描いていて、祖父の二代目鴈治郎も富士山が大好きでした。
私もその影響なのか富士山好きです。まあ富士山が嫌いな人は少ないと思いますが、東京ー大阪移動の時は空いている限り新幹線・飛行機共に富士山の見える側の席を取るようにしています。

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日の出や日没もそうですが自然界の美しさは芸術ですね

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「稽古始まり。」

2015年1月28日

26日に千穐楽をむかえ、27日の午前7時30分の飛行機で東京に飛び順天堂大学病院で10月から痛めている左膝の検査をして、夕方17時から1時間丸の内の丸ビルで1時間レクチャーで講演をし、主催者の方たちと宴席に出席して本日28日9時30分の飛行機で大阪に戻りロータリークラブの会合に出席して松竹座で「嫗山姥」の稽古開始です。

初役の"荻野屋八重桐"ですが、父が「好きな役だよ」と言っていた役で他の役者さんと演出がかなり違います。
父の武智鉄二先生の演出による「嫗山姥」は昭和58年に初演されされました。
私が大学を卒業して14年振りに舞台に出た年で、また私が成人してから初めて"糸萩"という役で女形を務めた演目でした。その時に父が演じていた"荻野屋八重桐"を今回務めるのは非常に感無量です。
初めての女形の台詞が言えず武智先生に口移しで発声から言い回しまで教えて頂き、所作は奥様である川口流の家元川口秀子先生に徹底的に指導して頂き急ごしらえの女形でした。
その映像記録は封印してあります(笑)
おふたりとも鬼籍に入られましたが是非どこかから観ていただきたい気持ちです。

今日を入れて4回の稽古ですが、舞台稽古が1回ありますので実質稽古場での稽古は3回になります。短い稽古ですから本番と同じ集中力が何よりも必要になってきます。

是非見にいらして下さい!

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「敵討兄弟」

2015年1月28日

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親近感が深まった千穐楽の出の前。
花道鳥屋内にて

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絆を深め

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この写真のあと結束を確認して気持ちを切り替え工藤へ対面

お疲れ様でした。
次回いつ共演できるか判りませんが、楽しみにしてます。

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「本日千穐楽。ありがとうございます。」

2015年1月26日

四代目中村鴈治郎襲名披露興行が無事に千穐楽を迎えることができました。

ご観劇下さいました皆様誠にありがとうございました。

昼の部では久し振りに愛之助さんと芝居ができ、2人で食事をし飲みに行き先々のことについて色々な話ができ楽しい1ヶ月でした。思えば「封印切」の"忠兵衛"を僕が初役で務めた時の"梅川"は何と愛之助さんでした。何年前か覚えていませんが、東京の国立劇場の歌舞伎鑑賞教室です。それ以降あまり一緒の舞台がなく2人で最後に共演したのはいつだったか思い出すのに時間がかかったほどです。年は私の約一回り下ですが、兄の襲名はいい機会ですので、口上でも言っていますが上方での公演を増やしていきたいと心から願っていますから、この先一緒に演りたいものが共通しているかなどの話も致しました。
今月は兄弟の役でしたので親近感が深まった気がし致します。

夜の部の"梅川"はコメントの返信にも書きましたが、"梅川"の置かれている状況や心の変化や動きを特に自然にできることに重点を置いてきました。彼女の薄幸だけれども自分の運命を受け入れる姿がお客様に映ればと思っています。
"忠兵衛"は私も200回近く演じている大好きな役で鴈治郎家の大切な役です。
義太夫に「もとより短気な忠兵衛は我を忘れてつつつつっといで」という文句があるように"八右衛門"の悪口に相当激昂していてその勢いで2階から降りて来ます。
そこからすべての悲劇がスタートしますが、去年から1年の間に3度"梅川"を演っていますのでそろそろ"忠兵衛"を演りたい欲求が強くなってきています。
私も玩辞楼十二曲の1つとしてしっかり継承していきたいと思っています。

引き続き来月の松竹座の四代目中村鴈治郎襲名披露興行も宜しくお願いいたします!

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「舞台写真入りパンフレット」

2015年1月19日

今月の舞台写真掲載のパンフレットを販売致します。

兄の襲名の祝い幕を描いて下さった森田りえ子さんの「紅梅白梅」の素晴らしい表紙です。
松竹操業120周年と兄の四代目中村鴈治郎襲名披露とお祝いが2つ重なった記念のパンフレットです。

私がお名前を書いてサインをしたものをごご郵送致します。

一部¥1,800(送料・消費税込み)

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ご希望の方はお名前ご住所を明記のうえ
下記のアドレスに部数を添えてお申し込み下さい。
入金方法を折り返しお知らせします。入金確認後に郵送させて頂きます。

ご応募お待ちしています。
締め切りは26日千穐楽正午(12時)とさせて頂きます

suzumenokai@senjaku.com

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「20年」

2015年1月17日

阪神大震災から20年が経ちました。
それは即ち扇雀襲名から20年を意味しています。

今はなくなってしまった大阪中座で兄の翫雀と共に襲名披露興行の真最中に震災は起こったのです。

午前5時46分大阪日航ホテルの30階に宿泊していてビル全体が大きく揺れ折れるのではないかと思ったほどです。
震災当日約1時間遅れで芝居は幕を開けました。お客様は200名に届かないほどでした。
被災状況が分かり始め公演は中止すべきと思っていましたが劇場側の決断は開演でした。

一生忘れられない襲名興行です。

今朝テレビで当時被災された桂文珍師匠が「形あるものは壊れたが藝は壊れません。益々落語の藝を磨こうと思いました。」と仰ってました。

まさにその通りで舞台で藝をお見せして皆様に喜んで頂くことしか私達のできることはないとその時思ったことを今回の兄の鴈治郎襲名で改めて強く思っています。

改めて被災して亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます。

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「1月16日(金)22:00~22:58「藤十郎の恋」舞台中継放送」

2015年1月15日

今月の松竹座公演も昨日中日を迎え半分が終わりました。
連日多くの方にご来場頂き誠にありがとうございます。

明日の
1月16日(金)22:00~22:58
NHKEテレ(教育テレビ)
「にっぽんの芸能」

にて、昨年末の京都顔見世での「藤十郎の恋」の舞台中継が放送されます。

ぜひご覧ください。

http://www.nhk.or.jp/koten/arts/
http://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2015-01-16&ch=31&eid=17074&f=1830

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「虎之介ラジオ出演」

2015年1月13日

長男の虎之介がラジオに出演致します。

FM-宝塚(83,5MHz)
1月14日(水)午前11:45~12:15
「たからづか発!口笛ラジオ」<歌舞伎事始>のコーナー

NHK-FM
1月16日(金)午前11:00〜11:50
「邦楽ジョッキー壱太郎ラウンジ」

よかったらお聴き下さい。

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「今月の舞台"曽我十郎"と"梅川"」

2015年1月11日

今月の舞台写真です。

"曽我十郎"

久し振りの「対面」の"十郎"です。鬘と衣裳の着方が江戸歌舞伎との違いです。以前に紹介したように襟を抜かずに衣裳を着ます。
親の敵に初めて対面するという気持ちを終止失わないことが何よりも重要ではないでしょうか。ただ、ここで敵討をするわけではないのであくまでも礼儀を忘れないことも必要です。
"大磯の虎"が盃を目の前に運ぶ時にはお客様には見えませんが目を合わせるようにしています。旧知の中ですので心に通じるものがあります。そこを気持ちの中でグッと表現します。
"工藤"の橋之助さんの大きさ、"五郎"の愛之助さんの勢い等々、歌舞伎ならではの初春の幕開きをを楽しんで下さい。

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"梅川"

何度務めたのでしょう。去年の2月博多座、3月歌舞伎座をもこの役を務めていました。
これまで菊五郎のお兄さん、亡くなった勘三郎の兄貴、勿論父の藤十郎、そして今回の兄の新鴈治郎の皆さんの忠兵衛で、200回以上は務めています。
"忠兵衛"も歌舞伎鑑賞教室で初役以来(その時の梅川はなんと愛之助さん)扇雀襲名時の巡業では100回以上等こちらも200回近く務めています。
玩辞楼十二曲の中でも最も多く出演しています。中でも父の忠兵衛で務めている時に初代鴈治郎から祖父、父と受け継がれた"忠兵衛"は身体で覚えています。心の動きが順番に整理され台詞の緩急や言い回しも決まっている部分が多く、幕切れの花道の引込みに繋がっていきます。
今回兄は自分自身の忠兵衛を作り上げていますので、新鴈治郎としての方向性を見るような気がしています。私は父の忠兵衛をなぞっていますのでそこが工夫ではないでしょうか。


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今月26日まで大阪松竹座にて上演中です。
是非ご来場下さい。
お問い合せは下記までお願い致します。

suzumenokai@senjaku.com

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「「嫗山姥」荻野屋八重桐」

2015年1月10日

まだ今月の中日にもなっていませんが、来月の役のことです。

来月の序幕に務める「嫗山姥」荻野屋八重桐のスチール撮影風景です。

今回の「嫗山姥」の演出は父が平成9年の12月京都顔見世で演って以来の上演です。
故武智鉄二先生の演出によるもので、父が昭和57年に立ち上げた「近松座」公演で初演した演出で、今回はそれを踏襲致します。
この「近松座」は父が50歳の時に旗揚げした公演で近松門左衛門の原作に立ち帰って上演をしようという狙いで始まったものです。

この作品を兄の襲名興行で選んだのには、父の目指している道を私も踏襲していこうという意識の現れと思っ頂けたらとの考えからです。
即ち、鴈治郎の名前がこの世に復活し上方歌舞伎の継承を謳うからは父が目指していたこともしっかり継承していきたいと強く思っている事を皆様にお伝えしたいという事です。

「嫗山姥」荻野屋八重桐は初役です。チラシに掲載する写真を初役なので撮影することになりました。撮影は先月の京都顔見世の公演中です。

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父のやり方は義太夫で語るべき多くの部分を本人が語りますので、かなりの技量が必要となってきますので、今の私の女形としての最も挑戦したい役の一つです。
その役を兄の襲名披露興行で努められることは嬉しい限りです。

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「祝い幕」

2015年1月10日

襲名披露興行には襲名する役者さんに祝い幕が送られます。

今回は私も大好きな京都在住の森田えり子さんの画による祝い幕ですが、とても素敵なので紹介させて頂きます。

四代目中村鴈治郎ということで4羽の雁が飛翔していてその1羽が太陽の光に照らされ光り輝いています。そして森田先生のお好きな日本を象徴する菊が添えられいます。
まさに四代目を襲名する兄を象徴する構図で本当に素敵な祝い幕です。

森田先生ご本人を存じ上げていますのでこの場をお借りして弟の私からもお礼を申し上げます。

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「1月8日虎之介誕生日」

2015年1月10日

1月8日は虎之介の17歳の誕生日です。

いつもは東京と大阪で離れているので当日直接お祝いはできないのですが、今回は大阪で一緒に居られたのでお祝いを「PESCE ROSSO」と「かが万」で2度にわたり致しました。

私の好きな山中シェフのイタリアン「PESCE ROSSO」ではイタリア語でハッピバースデーを歌って下さりプレートの字もイタリア語で書いて下さいました。
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「かが万」では塩釜で焼いたの鯛を料理長の藤原さんが用意して下さり、紅白の紐をあしらった木槌でめでたい鏡割りならぬ塩釜割を!

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ちなみに染五郎さんも1月8日が誕生日です。去年は虎之介と染五郎さんは共演していたので色違いのネクタイを2人にプレゼントしました。その他に小泉純一郎さん、エルビスプレスリーさん等の方も1月8日誕生日だそうです。

17歳
大人とも子供とも言えない中間ですが、4月7月9月の兄の襲名披露興行には出演予定ですのでしっかり芸の修行を積んで欲しいと思います。

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「四代目中村鴈治郎襲名披露初日」

2015年1月 2日

1年間に及ぶ兄の四代目中村鴈治郎襲名披露興行が本日幕を開けます。

「壽曽我対面」橋之助さんの工藤左衛門祐経、愛之助さんの曽我五郎時致そして私の曽我十郎祐成で幕開けです。
私達が教科書のように読んでいる六世尾上梅幸の残した「梅の下風」という口伝書には曽我十郎祐成は衣裳の襟を抜くのが本格ですと書いて有りますが、上方歌舞伎では襟は抜きません。鬘の髷の形も違ってきます。荒事と和事を五郎と十郎で表すのですが、上方は襟を抜かずとも和事味が出るので抜かないのではと思っています。
そして、決まりごとのような教えも多くあります。花道の出で工藤を見ながら歩き左手の島台は胸の紋の高さで肘を少し曲げること。十郎が五郎を止めるとき出した左足の膝は内に向けるとかまた、台詞の言い回しにも色々な教えが有りますが、教えて頂いた方により微妙な違いがあることも事実です。
先輩の舞台を観て覚える事も大切な勉強法である事は間違いありません。
いかに先輩の舞台を多く見てきたかが物を言います。
10代で歌舞伎から離れていた私にとっては最大のウィークポイントです。
父の敵に会いに来た気持ちを終止持ち続けることが一番大事な事ではないでしょうか。
そして工藤は座頭の大きさ。虎は立女形としての風格。朝比奈には三枚目の愛嬌等この一幕には歌舞伎の役々の特徴が網羅されています。そこを楽しんでいただきたいと思っています。

「封印切」は玩辞楼十二曲の内でも上演頻度の多い演目ですが曽祖父初代鴈治郎は独自の演出を編み出しています。それは幕切れの引込みを梅川を先に引っ込ませ忠兵衛は1人で引っ込む演出です。そこで役者の魅力をすべて放出します。また、忠兵衛は台詞の緩急や間のとり方、梅川との台詞の間合いは特に難しい部分です。私は父の忠兵衛で梅川を多く務めていますのでそこで父の忠兵衛の台詞の言い回しを直に覚えました。
兄は父と違う言い回しをしますがそれが兄の味となってきます。
封を切った後もそこから悲劇へ転がり落ちる分岐点ですので忠兵衛の心の変化をハッキリ見せなくてはいけません。
梅川は一緒に死んでくれと言われた後は以前は泣き落としと言って。義太夫の三味線に合わせで泣くのですが、数回前からは泣くより喜ぶようにしています。梅川の心理を考えるとそちらが正解だと思っています。
上方独特の義太夫に乗った恋愛悲劇を楽しんでいただきたいと思います。

口上も襲名披露興行ならではの一幕ですので役者の素の姿(化粧はしてますが)をお見せする一幕です。楽しみになさって下さい。

本日初日。1年間兄の四代目中村鴈治郎襲名披露。皆様ご支援のほど心よりお願い申し上げます。

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「吹雪の初詣」

2015年1月 1日

福島天満宮に初詣に行って参りました。
なんということか!元旦から吹雪いています!

コクーン歌舞伎や中村座の夏祭浪花鑑で、だんじり囃子をお世話になった福島天満宮の寳来さんとは長いお付き合いですが、元旦に雪が降ったことはほとんど無いとのことで風情ある初詣に成りました。

雪の舞い散る中四代目中村鴈治郎襲名披露興行の成功祈願です。

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でも、さすがに寒い。

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「明日1月2日舞台中継」

2015年1月 1日

明日の1月2日松竹座初日
19時よりNHKEテレ(教育テレビ)の「こいつぁ春から」で兄の四代目中村鴈治郎襲名披露演目「封印切」が生放送されます。
兄の忠兵衛で私が梅川を努めていますので是非ご覧下さい!

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「恭賀新年」

2015年1月 1日

今年も1年宜しくお願いいたします。

兄の四代目中村鴈治郎襲名が、1月2月大阪松竹座4月歌舞伎座6月博多座7月公文協東コース9月公文協西コース12 月京都南座と1年間通じて執り行われます。
私を含め一門全員でで盛り立てたる覚悟ですので皆様ご後援宜しくお願いいたします。
そして、上方歌舞伎の継承を改めて目標に掲げたいと思っています。

また、春には平成中村座が浅草に復活致します。4月歌舞伎座の兄の襲名公演と重なっているため現段階では出演が叶いませんが、4月歌舞伎座の出演演目によってはどんな役でも勘三郎を偲ぶとチラシに銘打っていますので、立ち上げに参加した者としては何とか出演したいと熱望しています。今後、大阪でも平成中村座が復活しましたら、その時には必ず参加して、「やりたいことが沢山ある。」と語っていたノリアキさん(勘三郎の本名)の魂を皆で受け継いで行きたいと願っています。


本年もご後援のほどお願い申し上げますと共に、皆様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。

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