中村扇雀の公式ブログ

「今月2部・3部舞台写真」

2014年8月20日

2部「輝虎配膳」お勝

この役は同じ近松門左衛門作の「吃又」の女版というと乱暴ですが、姑の窮地を救うために琴の律に合わせてしゃべる役です。初役ですが、琴を弾きながらの部分で目線が手元に行ってしまう事を克服しなくてはいけない役です。三味線ですと手元に目が行かずに弾けますが、琴は13弦ありますのでついつい手元に目が行ってしまいます。輝虎候に対して義母の命乞いをする気持ちだけは切らさないように務めています。
何故突然琴なのかがお客様に説明が無く唐突なところが歌舞伎らしいといえば歌舞伎らしいのですが、説明は必要かなと思ってはいます。

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「たぬき」おせき

2度目の"おせき"です。幕開きにちょっとの役なのですが、その後主人の金兵衛さんが生き返り、事前に夫婦の関係がお客様にイメージでできてなくてはいけないので大事な役割です。
世話物のこういう役どころは好きなんです。主人役の寿(ひさし)さん(三津五郎さんの本名)も「ヒロちゃんの女将さん大事なんだよ。いいよ。」と言ってくださっているので前の"お勝"からは早拵えですが、楽しく務めています。

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写真:歌舞伎座

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コメント

素敵な写真を沢山、ありがとうございました。2、3部は先日拝見しましたが、輝虎はどの役も難しいですね、、。今度山城屋さんにも行くので、一巴太夫さんの件はびっくりしました。同じ上方でも成駒屋さんと松嶋屋さんの型にも違いあり、本当に勉強させていただく事多いです、吉田屋も違うのかな。2月博多座の二人椀久は華やかでしたが、これもまたどこの型という訳でなく、あまりやらない珍しい演出だったと聞いたような。型、でどうしてもやらなければならない事以外は色んな解釈の表現をやっていただける方の一人が、扇雀様です。美への拘りも半端ないですね。明日から2日間、お銀の方、拝見致します。

tamさん

いつもありがとうございます。「吉田屋」は成駒屋と松島屋は違いが多いので見終わったあとは違う演目とまでは言わないにしてもかなり印象が違うと思います。「二人椀久」のような舞踊は役者というよりも振付師の方で同じ表題の演目でも内容はだいぶ変わってくるものです。
同じ演目の同じ役でも父や兄が演じるものと私が演じるものでも違いは出てくるはずです。
そこが歌舞伎の楽しさですね。「恐怖時代」も新しい感覚を味わって頂けると思います。

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