中村扇雀の公式ブログ

「公文協西コース初日」

2019年9月 2日

8月27日の歌舞伎座千穐楽から中3日で8月31日公文協西コース初日を迎えました。

今回は「蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)」初役で4役早替りを努めます。
父が得意とした演目の一つでいつかは努めたいと思っていました。
女方(女童扇弥・傾城薄雲太夫)立役(座頭駒市・蜘蛛の精)の4役を演じ分ける舞踊です。
蜘蛛の精は女郎蜘蛛の精で衣装も裾を引いているので厳密には女方なのかも知れませんが
隈取りをしての立ち回りも有りますので立役に分類してよいとは思います。

長唄と常磐津の掛け合いもこの演目の特徴です。
舞踊は特に音曲の演奏が重要になってくると考えています。

今回常磐津は関西常磐津協会の常磐津小欣矢さん巴瑠幸太夫さんにお願いいたしました。
上方歌舞伎を継承する立場として家のげいである「吉田屋」は関西の常磐津の方に語って頂きたいという思いがあります。
私自身も故常磐津常磐津一巴太夫のお師匠さんの弟子でもあり「吉田屋」にも出演して頂きその継承の気持ちも込めて努めて頂いています。
長唄も関西の杵屋勝之弥さんに長唄の演目の時はお願いしています。立三味線は菊五郎劇団の杵屋巳太郎さんが努めてく下さっています。

蜘蛛の精が投げる蜘蛛の糸も見どころの一つだと思いますが、今回は振り付けの藤間勘十郎さんの薦めもあり能で使用する糸を使うことにいたしました。
歌舞伎公演では尾上音吉さんが作る糸を通常使用しますが、今回は能の舞台で使用するものを使わせて頂いています。
少し幅が細く長さが長く小さい重りが先についています。
コツは投げた後に伸びた後にスナップで引くと教えて貰ったのですが、なかなか簡単にできるものではなく、また糸も練習できる物がありませんですので本番で回数を重ねてコツを掴んでいくつもりです。

西日本の巡業ですが今回は九州の公演が組み込まれていなく残念です。
26日間19箇所の公演28回公演各地での公演楽しみにしています。

各地皆様のご来場をお待ちしています。

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コメント

蜘蛛絲は四役の変化がとても面白く拝見致しました。最後の蜘蛛の絲はこれでもかというくらい圧巻でございました。絲の長い分凄い迫力でしたね!

巡業公演拝見しました。
まさにスポーツの舞踊でした。女童は腰を落としての動きばかりで、凄く大変そうと思いました。
蜘蛛の糸は綺麗に線を描いていて、投げてみたいと思いましたが、素人ができることではなさそうですね....。
女童、座頭、傾城から蜘蛛の精になる瞬間の表情が、うわっ!怖いと言ってしまいそうになるほどの迫力でした。
とても楽しい時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

長い巡業お疲れ様でした。
初役ということでとても楽しみにしていました。
どの役も素敵で感動しましたが、私は座頭駒市が一瞬、目を開けるところがドキっとして好きでした。
この演目は全部で何役あるのかなと思い調べていたら、座頭が常磐津の見台から抜け出て宙吊りで三味線を弾く演出があると知りました。いつかこの演出で観てみたいです!

10月の歌舞伎座も楽しみにしています。(^-^)

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