中村扇雀の公式ブログ

「赤坂歌舞伎」

2021年11月15日

久しぶりの赤坂歌舞伎に胸躍り毎日が楽しく舞台に立てる歓びに浸っている。
いや本当に楽しい。お客様が座席を空けずに座ってくださっている事がこんなにも素晴らしい事なのか。コロナで世の中が一変しライブの演劇は一気に危機に陥った。大向こうの声が聞こえなくなってもうすぐ2年が経つ。お客様はどんどん離れていきもう戻ってきてくださらないのではという不安に駆られる。

しかし、今月の赤坂歌舞伎は楽しい。
この喜びはどこから来るのだろうか。
抽象的な言い方だが亡くなった勘三郎のお兄さんの魂がまだまだ残っている気がする。
今月の一座は中村座やコクーンで時を長く共に過ごした面々に勘太郎・長三郎が加わり、大道具さんも一緒だ。楽しくないわけがない。
そして演目は二度目になるが新作歌舞伎「廓噺山名屋浦里」。皆の力で作り上げる面白さ。こちらが楽しければお客様も楽しいのではと勝手に思うのが役者の悪い癖かもしれない。
まあ、こちらが楽しくなかったらお客様は楽しくないのは間違い無いだろう。
今月も歌舞伎座の3部制と国立劇場と三箇所で歌舞伎公演が行われているが、お客様は何を基準に足を運んで下さるのだろう。大向こうもなく50%の座席しか座れない中。歌舞伎だから観てくださるのだろうか。もちろんそれもあると思う。しかし何よりも舞台の上の役者の責任が多くを占めているのだろう。
歌舞伎役者は演出家の目も持っている。今回2回目の上演の「廓噺山名屋浦里」も勘九郎・七之助・私それに亀蔵さんそして虎之介も、皆で知恵を出し合い演目を作り上げていく楽しさ。今回もかなりの部分前回と細かく変わっている。前回出演していた駿河太郎さんが見に来てくれて「これは中村屋の古典になる」と感想を言ってくれた。嬉しい限りである。
コロナ禍で厳しい条件下の中舞台に立ってきて久し振りに嬉しい言葉を聞いた気がする。
歌舞伎が元の姿に戻るために政府が許可してるのだから一日も早い100%の客席使用率に戻り大向こうをどうにか方法を考え復活させ、本来あるべき姿に戻すように松竹株式会社に願うばかりだ。他の劇場の舞台を見に行くと隙間なくお客様が座っていることに羨望の眼差しを送る事の辛さ。今月の赤坂ACTシアターは26日まで公演中です。
是非、見にいらして下さい。

「廓噺山名屋浦里」

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左は勘九郎さん右は虎之介

「宵赤坂俄廓景色(俄獅子)」


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IMG_20211117_0014.jpgのサムネール画像


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右は虎之介

写真提供 :松竹株式会社

この「廓噺山名屋浦里」は鶴瓶さんの新作落語の歌舞伎化ですが原案はタモリさんです。
そのお2人が揃って見に来て下さいました。偶然その日いらして下さった大竹しのぶさんも含めて終演後に楽屋外で記念撮影。ありがとうございました。

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コメント

扇雀さん、こんにちは。
赤坂の歌舞伎を皆さん楽しんで演じていらっしゃるようで、何よりです。
タモリさん、鶴瓶さん、しのぶさんも加わって、ますます剽軽なお写真も楽しそうです。
勘三郎さんが「いいなぁ~」と、お空の上から指をくわえて見ているかもしれませんね。

「いいとも」が終わってからも「ブラタモリ」で各地に出向かれるタモリさんから、いろいろ学ばせてもらったり笑わせてもらったしています。
歌舞伎は、大向こうさんが早く復活するといいですね。
早く、早く…とは思いますが、松竹さんの慎重な姿勢も大切だと思います。
みんなが気をつけられることを気をつけ合って、盛り上げていきたいです。
12月の顔見世には伺いますので、おおいに楽しみです。
若く勢いのある虎之介さんも頑張って! 応援しています。

扇雀さん、こんにちは。
私は赤坂大歌舞伎の初日舞台を観劇いたしました。
私はコロナ後に歌舞伎を好きになり、観劇するようになったので、コロナ前の歌舞伎を知りません。しかし、本来の歌舞伎の姿が戻りつつあるようで、ますますこれからの歌舞伎が楽しみです。また、海外の歌舞伎ファンの方々とも交流があり、彼らも日本に来て、また歌舞伎を観られる日を楽しみにしています。
どうかお体に気をつけてください。
これからのご活躍をお祈りしております。

ご無沙汰しております
赤坂 行きたいですが 今年も 東京へ 行かない選択をしました。地元で 見れる 環境あるのは
まだ ありがたいけれど 自分の 原動力である 観劇が
少ないと 力が 無くなっていく気が します
客席 半分 よりも 短期間 なのが 淋しい

7月も 感動し ブログも 読んでは いたのですが 
なんだか 遠慮してしまい 書けないまま でした

赤坂歌舞伎
行きたい気持ちをグッと堪えていましたが
観劇後に聞こえてくる声を聞いていると
今からでも行っちゃおうか・・・何てこと
毎日考えております

扇雀さまの舞台写真を心待ちにしておりました
毎日眺めております

早く南座にお越しください
待っております!

『お客様は何を基準に足を運んで下さるのだろう。』
私は、歌舞伎でもストレートプレイでもミュージカルでもライブでも
足を運ぶ基準は演者と公演への期待値です

期待値が高ければ高い程
遠征も致します
もちろん、コロナ禍でそれが思うようにいかないこともありますが・・・

絶対に面白いと思うからこそ、友人も誘います

赤坂歌舞伎やコクーン歌舞伎のような舞台が
関西でも観られることを切に希望します

役者さん自身が作り手の方々が面白い舞台を
私もみせて頂きたいです

扇雀 様
素敵な写真を沢山ありがとうございます。
24日に観劇します。山名屋浦里は観たい演目のひとつでしたのでとても楽しみです。
コロナ前の状態に早く戻りますようにお祈り申し上げます。

赤坂大歌舞伎観劇させて頂きました。
凄くわかりやすい演目だったしいつも観る演目よりも気軽に観れて楽しかったです。
お客様もたくさん入っていたしコロナ前の雰囲気と変わらない感じも味わえて良かったです。
千穐楽まで一人でも多くのお客様に楽しんで貰えると良いですね。

コメントを拝見しているとまだまだ劇場に行かれない方が多く、何度も観劇に向かう自分の立場と環境を本当に幸せと思います。この赤坂大歌舞伎がとにかく楽しくて溢れるような幸せな気持ちいっぱいで観るたびとても満たされます。私の周りでは虎之介さんの評判がすこぶる良く、私もファンとして嬉しく、また細かい変化や扇雀さん、虎之介さんお二人の浦里からの宵赤坂にギャップ萌えしています。ずっと終わってほしくない赤坂ですが、来月の南座もとても楽しみにしています。

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