中村扇雀の公式ブログ

「仕事納め」

2011年12月31日

本日30日、松竹座で

雷神不動北山櫻(なるかみふどうきたやまざくら)

の通し舞台稽古を最後に仕事納めとなりました。

海老蔵さん奮闘のこの演目は今回で四回目の上演となりますが、私は初参加となります。
通し狂言はまず大切な事はテンポだと思います。芝居の内容が良く分かることと、お客様を飽きさせないこと。この二点が大事になってきます。
演出の藤間宗家と海老蔵さんからもその点を活かすため普段「鳴神」一本で上演している時と多少変えて上演してきたとのご説明でした。
ですから、多少のカット部分も含まれていますが、スピード感だけでは、見終わったあとに残るものが少ないので芝居のしどころが大切になってきます。
個々のポイントを今日は海老蔵さんとチェック致しました。

絶間姫が花道から出て、花道の七三で座り舞台の鳴神上人との最初のやり取りで、滝壺の前ですから声をはって台詞を言う意識を持つようにとかつて父に教えられました。先々代の松緑の伯父さんの鳴神上人で父が勤めた時の話のようです。リアルに言うと、普通にあれだけ離れて喋ったら聞こえないよ。との考え方です。確かに実際の滝壺の前は轟音がしています。ですからその音にかき消されない思いでとのことです。そう演じることによってお客様に臨場感が伝わるといいと思います。

勅諚を受けて鳴神上人のもとに来たという一点を大事にしようとの話し合いを致しました。果たしてお客様にどう映るか劇場でご判断下さい。

前三回の公演は拝見出来なかったので、今回その全容を拝見して江戸の荒事を中心にスペクタルとしての面白さも備えた勧善懲悪物の作品になっていますので、初めてご覧下さる皆様ご期待下さい。

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コメント

今年一年、お疲れ様でした。
私は実家で過ごす年末年始です。大掃除も終わり、やっとのんびりとした時間を過ごせています。
年明けの大阪松竹座、とても楽しみにしています。
来年もすてきな舞台をたくさん見に行きたいと思っています。
よいお年を!

しろさん

今年一年間ありがとうございました。ゆっくりしたお正月を迎えて下さい。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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