中村扇雀の公式ブログ

「六月新橋演舞場千穐楽」

2012年6月30日

昨日、父の出演している六月新橋演舞場の昼の部に行って参りました。

『小栗栖の長兵衛』で中車さんの初歌舞伎
演技の巧拙を論議するより彼が今の年齢で歌舞伎役者としての第一歩を踏んだことに対してまず歓迎すると共におめでとうという言葉と本当に頑張って下さいとエールを送りたいと思います。

僕自身も事実上大学卒業からの歌舞伎役者ですから苦労はよく理解してます。
ご本人の役者としての才能や実績は素晴らしいものですので歌舞伎の世界でも充分に実力を発揮して欲しいと思います。

それには日本舞踊がどうしても不可欠になってきます。そして義太夫この二点に集中して欲しいと思っています。
私も共演できる日を楽しみにしています。

口上も澤瀉屋のお兄さんが正面から二畳台に座って出ていらして、お客様の拍手は最高潮に盛り上がり、私も客席に座って居て改めてお客様によって生かされている仕事なんだなと、お客様のありがたさを痛感致しました。

『四の切』は忠信・静御前・義経とそれぞれ勤めていますが演者によってこれほど表情の変わる狂言はないかも知れません。
それぞれの役に大事なポイントが多々有りますが、何よりも新猿之助さんの忠信は自分らしさが満載された彼らしい忠信に見入りました。
万雷の拍手で宙乗りをして気持ちいい事間違い無しでしょう。
これからも澤瀉屋一門を牽引すべく頑張っていただきたいと思います。

父の義経を始めてみましたが台詞の呼吸や言いまわしは、やはり義太夫の狂言の原点を知り尽くしている語りで学ぶことは多かったとご報告させて頂きます。

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コメント

最初の方ですが、私も昼の部 拝見させていただきました。
中車さん・・・まだどうしても現代劇の役者さんというような感じで舞台を観てしまったので・・・。でもお芝居は上手な方だなと映画やテレビでは思っていた人なので、これからどう変化していかれるのか楽しみですね。
四の切 安心して見ていられるというか、やはりぐいぐいと舞台に惹きつけられる感じがいたしました。忠信 かわいらしいなと思いましたよ。本当に新猿之助さんらしい!
お父様は言うことなしです!! いつも舞台では引き込まれてしまいますし、魅力的ですよね。これからもどんどん素敵な舞台を魅せていただきたいと思います。

北山さん

来年一月は松竹座で襲名興行が行われ私も出演予定ですので今からご一緒出来るのが楽しみです。是非関西まで遠征してきて下さいね。

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