中村扇雀の公式ブログ

「赤坂をどり」

2013年3月13日

先日、赤坂ACTシアターで赤坂芸者衆による「赤坂をどり」を観て参りました。

赤坂をどり.jpg

花街の芸者衆と歌舞伎役者は言ってみれば芸を生業にしている点では同業といえると思っていのます。
長唄や常磐津・清元の邦楽や日本舞踊のお師匠さんが共通であったりしますので、非常に近しい間柄であることは間違いありません。それに私の父方の祖母(二世鴈治郎夫人)は京都祗園の舞妓でしたし、歌舞伎界に嫁ぐ花柳界の方も少なくありません。

今月は舞台がお休みですので、普段ですと舞台に出演していて他の舞台があまり観られないのですが、今回の赤坂をどりは時間の都合が合い、初めて拝見することが出来ました。

親しい芸者衆もいますので、日頃の研鑽を見られることは勉強にもヒントにもなります。

まず驚いたのがお客様が、普段赤坂の花街に出入りしている御贔屓の方ばかりかと思いましたら、一般の女性のお客様が多く、舞台を純粋に楽しんでらっしゃる方がたくさんいらっしゃったことにまず驚かされました。やはり芸に触れるということは人生を豊かにするということを多くの方が感じてらっしゃることに喜びを感じました。

客席に座ることはどんな場合でも勉強になります。ただ自分も舞台に立つ人間として純粋に楽しむよりどうしても何か参考にならないか、客席からるどう見えるか。目線だとか体の向きだとか余計なことを感じながら観てしまう自分がいるのでついつい前のめりになってしまいます。

歌舞伎はご承知のとおり男性のみの演劇ですので、女性の持っている体の線とか柔らかさは出しにくいので、女性の舞台はとても参考になることが多いんです。

でも最後には華やかの芸者衆の舞台を歌舞伎役者ではなく観客として楽しみました。

芸者衆の皆さんの写真が掲載できなくてすいません。

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コメント

一度 拝見してみたいものです。
きっと艶やかなんでしょうね。

舞台ってワクワクする心と本当に豊かな心が生まれてくる気がしますよね。自分では演じられないけれども、色々な舞台を観ることで、様々な体験が出来るような気になります。

何年か前に、賀詞交歓会で赤坂の芸者衆の踊りを拝見させて頂きましたが、とても素敵でした。
でも不思議ですよね、歌舞伎の女形の方々の舞台って、男性が演じているって感じないし、女性ではないし、男でも女でもない。上手く言えませんけど、本当に不思議です。
そう言えば、野田版でしたっけ?扇雀さんと福助さんの掛け合い、大好きです。

Kさん

客席から「綺麗ね」という声が漏れてきました。芸というものは心を豊かにするものですから楽しむ心で接したいと思っています。

む〜さん

歌舞伎は元々女性も舞台に立っていたものが色々ことがあり男性だけで演じる様になりましたが女性を演じるための工夫を先人達が長い年月をかけて創り出してきたものを継承しています。それが伝統なのだと思います。

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