中村扇雀の公式ブログ

「11月八代目中村芝翫襲名披露」

2016年11月21日

長年共に修行を重ねてきた橋之助さんの芝翫襲名の公演にやっと出演が叶いました。
先月いの一番で出演したかったのですが、国立劇場五十周年の公演出演依頼があり当月の出演となりました。

私が大学卒業して舞台に戻って最初に友達になったのが当時の児太郎(現福助)さんと橋之助さん兄弟でした。児太郎(現福助)さんとは同い年で直ぐにうちとけ歌舞伎のいろはを教えてくれ、橋之助さんは5歳年下ですが彼の芝居好きには驚かされました。とにかく歌舞伎役者に成るために生まれてきたような彼は私に色々な歌舞伎のことを教えてくれたものです。
そして、当時の勘九郎さんとの出会いから平成中村座やコクーン歌舞伎また野田歌舞伎などの新作、勿論古典の数々と橋之助さんとは本当に多くの舞台を一緒に修行をしてきた仲です。
亡くなられた先代芝翫の叔父様には女形の役々を丁寧に教えて下さいました。非常に細かい指導をして下さり「髪結新三」のお久等は歩く足運びに至るまで丁寧に教えて下さいました。晩酌で芝居の話をして下さり芝居に向き合う姿勢から教えて頂きました。

幸ちゃん(新芝翫さんの本名幸二)がその芝翫の名跡を襲名する事になったと聞いた時、時の流れを痛切に感じました。幸ちゃんと初めて共演してから33年の年月が流れたことになります。感無量です。勘三郎のお兄さん三津五郎のお兄さんと同世代の立役の方がなくなった今彼の責任は重大だと思います。これからも共に舞台に向かっていきたいと初心に帰る気持ちです。

今月の舞台から

「四季三葉草」千歳

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「盛綱陣屋」早瀬

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口上

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コメント

ブログ、嬉しく拝読しました。
成駒屋さんの襲名披露、そして国立の忠臣蔵、地方から一泊で両方拝見しています。贅沢かなとも思いつつ、歌舞伎三昧の幸せな週末です。
初めての仮名手本忠臣蔵、勘平の在りようは何とも切ないものでした。第一部、二部、一連の物語として印象に残っています。

成駒屋さんの襲名披露公演に扇雀さんのお姿があるのは、やはりとても嬉しいです。温かい口上が心に沁みました。
四季三番草はおしろいの香りを感じるほど近くで拝見し、寿ぐ一幕を堪能させていただきました。

『足跡姫』インタビューで三津五郎さんの言葉も分かるけれど・・・と続けて仰っていらしたこと、まさにそのために私たち観客は劇場に足を運ぶのだと思いました。自分ではうまく言えない気持ちを言葉にしていただき、嬉しかったです。舞台を楽しみにお待ちします。

花梨さん

幸ちゃんが芝翫になる日が来た事に時の流れを感じずにはいられません。
そして歌舞伎ではない追善興行のような野田地図への出演。私なりに楽しみです。

東京には 行ってるのに 諸事情で 歌舞伎座観劇は 出来ませんでした。私には 東西の なりこまやさん どちらも大切なのに 昨年のように 全て 廻れず 結果的に
差を つけてしまい 幸二お兄さんに 悪い事しちゃったなと 思ってます。来年は 大阪 博多 巡業 と 西日本は
行くように したいです

あけみさん

芝翫襲名披露は歴史の1ページです。是非ご覧下さい。

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