中村扇雀の公式ブログ

「「足跡姫」千穐楽」

2017年3月14日

昨年の12/8篠山紀信さんのパンフレット撮影に始まり12/12に稽古開始。
その稽古初日に台本の完成版が手渡され野田さんの全編本読みがあり作品の全貌が明らかに
なり「足跡姫」が歩き出しました。
約一週間の本読みが続き稽古スタジオに本番同様の3.55%の傾斜の付いた舞台が組み立てられ初めて見る傾斜の付いた回り舞台が姿を表しました。

稽古は12:00〜19:00のスケジュールで連日続き12/31〜1/2の稽古休みをはさみ1/12に芸術劇場プレイハウスに稽古場を移し1/17のゲネプロを終え1/18に初日開幕。

全61回の公演を欠かすこと無く五万人弱のお客様にご来場いただき3/12無事に千穐楽。

まずはご来場して下さった全てのお客様に改めて御礼申し上げます。

ありがとうございました。

そしてすべての関係者・スタッフそして共演のキャスト全員に感謝とありがとうの言葉を贈りたいと思います。素晴らしい日々でした。

今回の出演にあたり勘三郎へのオマージュと言う野田さんの言葉を知ったのは、私自身はパンフレットを見たときでした。
昨年の2月野田マップ前作「逆鱗」を芸術劇場に行った観劇後に野田さんから本作の出演依頼を頂きました。しかしその時は「今までにない芝居を作りたい。江戸時代の話なんだ。」
それ以上の説明はありませんでした。

私自身は4ヶ月歌舞伎を休むことになり12月の京都顔見世は雀右衛門襲名1月の松竹座は芝翫襲名2月歌舞伎座は勘太郎・長三郎初舞台と大事な公演の出演は見送ることとなります。
しかし以前から野田さんと舞台を作りたいという願望が有った私は松竹の安孫子副社長と相談の結果出演が叶ったのです。

千穐楽を迎えた日、実は勘三郎さんがなくなった時に覚えた喪失感や惜別の念に襲われていました。それだけ野田さんの脚本と演出そして出演者皆さんのエネルギーは素晴らしかった。観客の言葉のように聞こえますが正直な私の感覚です。

舞台の上にいながら客席の皆さんと感情が一緒になっていました。

最後のカーテンコールでスタンディングオベーションとなった時、過去の平成中村座やコクーン歌舞伎そして野田版の歌舞伎等々で味わってきた感動が蘇り、勘三郎さんの気配を感じ舞台袖に戻った瞬間涙腺は緩んでいました。

その瞬間を人生経験の一幕に加えられたことそして勘三郎さんのお兄さんや三津五郎のお兄さんとオンタイムで時間を共有できた幸せを改めて感じました。

そしてこの「足跡姫」は自身の臨終の瞬間に思い出す作品の一つになったと確信しています。

なにもないゼロから「足跡姫」を生み出した野田さんの底知れない力、そしてそれを具現化したキャスト・スタッフすべて本当に素晴らしかった。私も入っているので自画自賛のようになってしましますが、その場に居られたことに喜びを感じていることを表現したいのでお許し下さい。

2017年03月14日09時39分15秒.jpg

大入袋の上が少し破れているのは大入袋を振って中のコインを出し共演者と交換するという儀式を行ったためです。歌舞伎役者はいつも顔を合わせているのでこの儀式?はしないのでは初めての経験でした。千穐楽でバラバラになる共演者との再会を誓うものだそうです。
因みに私は舞台上で愛人だった鈴木杏ちゃんと交換いたしました!

プログラムの表紙と裏面
PDFですのでクリックして下さい。

足跡姫パンフレット表紙.pdf
足跡姫パンフレット裏.pdf


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コメント

千秋楽拝見しました。
花道の横の席で皆さんの表情、汗、腕の筋から爪先まで良く見えて凄い迫力でした。
扇雀さん、力強く粋でとても大きく感じました。
名古屋城の平成中村座のチケット取りました!
歌舞伎初心者ですがよろしくお願いします。

扇雀様
4ヶ月間お疲れ様でした。いろいろな思いが駆け巡りました。
幸運にも足跡姫2度拝見する事ができました。
言葉の一つ一つに、魂が宿っているように感じました。
できることなら再演して頂きたいと願っております。
扇雀さんが足跡姫に出演して下さってありがとうございました。

扇雀様

3ヶ月間に及ぶ舞台の千穐楽を無事に終えられましたこと、お喜び申し上げます。
そして、扇雀さんのご出演があったからこそ、この舞台に出会うことができたことを心から感謝しています。


1度目の観劇では初めての衝撃?の連続で、出演者の豪華さに目を奪われ、テンポに追いつきながらストーリーを追うのに精一杯で、ラストシーンで突然心を奪われた....感じでした。


そして千穐楽。心にゆとりを持って観ることができたので、出演されているお一人お一人の熱演にたっぷり魅せられながら、言葉遊び?の奥深さを堪能させていただき、心地良い時間があっという間に過ぎて行きました。


扇雀さんの十役人。登場の度にわくわくしながら、衣装、役名を楽しみながら、場面場面がビシッと締まり、ラストに向けての重要なお役であることを実感しながら引き込まれて行きました。


ラストシーンでの大向うの瞬間には、思わず涙だけでなく声も出てしまいました。
繰り返されるカーテンコールで、舞台中央の野田さんの傍らには、潤んだ瞳の穏やかな笑顔で客席を見上げる勘三郎さんのお姿が、はっきり見えました。(あの松本での復帰公演の時のような...)


言葉では言い表せないくらいの最高の感動を本当にありがとうございました。


次はまた、歌舞伎の舞台でお会いできますことを心待ちにしております。

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