中村扇雀の公式ブログ

「南座開場式と京都ヒストリカ映画祭」

2018年10月30日

26日に千穐楽を迎えた翌27日に、報道にもあるとおり耐震工事を終えて新装開場記念の南座でお練りをしてきました。
約三年の工事を経て装いも新たになった南座ですが建て替えではないので構造自体は変わっません。ですから楽屋は内装は一新されていますが懐かしい感じがします。
二階客席の上手側廊下には曽祖父の初代中村鴈治郎のブロンズレリーフが元のまま掛けてありほっとしました。南座に着くと最初に触りに行く場所です。
ぜひ皆様も一度ご覧になってください。実物大と聞いているのですが、そうでしたら曽祖父の顔は相当大きく立派だったようです。

歌舞伎役者が一同に舞台のひな壇にぎっしり並んだ開場式の景色は客席から見たらさぞ壮観だったと思います。

開場式に引き続き南座正面玄関から八坂神社に向かって封鎖された四条大通りをお練りです。歌舞伎座開場式の銀座大通りのお練もすごい数のお客様が沿道を埋めてくださいましたが、発表では15000人の方が南座から八坂神社までの短い距離を埋め尽くして下さって、ものすごい熱気でした。前日までの予報は雨天だったのですが、空は晴れ渡り最高のお練り日よりとなりました!

スタート地点で南座のまねきを見上げて

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いざ出発

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八坂神社からは警察の指導で封鎖された四条大通りをマイクロバスで一気に南座に戻っていきました。

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その後、第10回京都ヒストリカ映画祭のオープニングレセプションとトークショウに出席してきました。

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各国の監督や関係者とともに

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プレミアム上演の内田吐夢監督「恋や恋なすな恋」が歌舞伎の「芦屋道満大内鑑」を題材にしていて葛の葉を何度か演じている私にお声がかかりました。

MCの飯星景子さんとのトークショウ

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映画人ではない私は場違いな感じですが、この映画の中で大川橋蔵さんの舞踊「保名」がそまま映画の進行に使われていたり歌舞伎に深く影響を受けている作品ですので、声がかかったのだと思います。
日本映画の大スターは多くが歌舞伎役者出身というのもご縁があります。
また不世出の大スター長谷川一夫さんは曽祖父初代中村鴈治郎の弟子で、最初の奥さんは師匠の娘、すなわち祖父二代目鴈治郎の妹でしたので、私も浅からぬ縁を感じています。

玩辞楼十二曲の内「藤十郎の恋」を二度目に演じる前に長谷川のおじさんの映画「藤十郎の恋」を見て演技の上でも参考にして、衣装は真似をして新しいものを作ったんです。

このヒストリカ映画祭は歴史にまつわる作品を集めるのですが、日本映画と歌舞伎のつながりは以前は今と違って深いものがあったんです。
獅童くんや中車さんは今でも映画と深く関わっていますが、これからは歌舞伎役者ももっと歌舞伎のためにも数の減ってきた時代劇など出演してもいいのではないでしょうか。
全員歌舞伎役者で作る時代劇なんて面白いと思いませんか。

そんな事を思い新幹線で帰京して品川駅についたのは22時30分。
翌28日からは平成中村座の稽古。休む暇なしです。

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コメント

南座の開場式にお招きいただきました。
役者さんが舞台上に勢ぞろいの手打ち式は、凄かったです。
あの場所に居られたことが嬉しかったです。

全員歌舞伎役者さんでの時代劇、ぜひ実現していただきたいものです。

お練りには一応、行きましたが映画祭に間に合わなさそうだったので、残念ながら見れませんでした。
でもその分、映画祭がとても楽しかったです。
劇中色々と驚きがありましたが、葛の葉が双子だったことに一番驚きました。
途中から歌舞伎のように舞台上での演出になっていたり、昔の映画にしてはすごく斬新だなと思いました。
内田吐夢監督の映画も大川橋蔵さんの映画も今回初めて見て、他の映画も見たくなったのですがお薦め作品はありますか?
いつか葛の葉の通し狂言を見てみたいです。

南座が 開場して 嬉しいです
東京や 地方で 観劇していたのに
役者さん方が 一同で 京都に 、、
不思議な 感覚の 1日でした。
顔見世 は ええ お値段 しますから
交通費 いらないのに
地元 の 公演が 一番 大変なのが 現状です

お練りは 見れませんでしたが 映画祭に 早めに 行き
前に 座れて 良かった、映画も 面白くて ひきこまれました、舞台の 葛の葉 保名は 見てますが
芦屋道満 が 人物名 と はじめて 知りました

先日は、本当にありがとうございました。
お忙しい中、映画祭にお越しいただき、とても充実したトークをお聞かせいただけたこと、また、お練りの大盛況も垣間見ることができ、感激・感動の一日でした。
京都ヒストリカ国際映画祭スタッフの一員として、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました!

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